【アトーゼット配合錠LD・HD】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

アトーゼット配合錠は、高コレステロール血症や家族性高コレステロール血症
に用いられる薬です。

有効成分は、エゼチミブとアトルバスタチンカルシウム水和物で、すでにゼチーア・リピトールとして販売されています。
その二つの成分が合わさった配合剤となっています。

今回は、アトーゼット配合錠LD・HDについて、効果効能、副作用や注意点について紹介していきたいと思います。

目次

アトーゼット配合錠LD・HDってどんな薬?
アトーゼット配合錠LD・HDってどうやって効くの?
アトーゼット配合錠LD・HDの用法・用量
アトーゼット配合錠LD・HDの副作用
アトーゼット配合錠LD・HDの注意点
まとめ
関連情報

アトーゼット配合錠LD・HDってどんな薬?

アトーゼット配合錠LD・HDは、有効成分エゼチミブとアトルバスタチンカルシウム水和物が配合された薬です。
日本ではまだ発売日は未定ですが、販売してもよいという承認が2017年9月におりました。なので、そのうち発売されるかと思います。

アトーゼット配合錠LDは、1錠あたりエゼチミブ/アトルバスタチンとして 10mg/10mgで含まれており、アトーゼット配合錠HDは10mg/20mgで含まれています。

【効能・効果】
高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症

< 効能・効果に関連する使用上の注意 >
本剤を高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症の治療の第一選択薬として用いないこと。
適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
ホモ接合体性家族性高コレステロール血症については、LDL アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
引用:アトーゼット 添付文書

アトーゼットは高コレステロール血症の治療薬として用いられます。
ですが、初めて治療する際には用いられることはないでしょう。第一選択薬ではないからです。

そりゃそうですよね。
いきなり二つの有効成分がどーんと入ってる薬を用いると、コレステロール値の過剰な低下や、副作用の懸念があるからです。
ひとつづつゆっくりと体を慣らしていくのが大事です。
(とはいっても、コレステロール値や体格、体重、そのほか検査血、遺伝などから総合的に判断して、最初にアトーゼットを用いたほうがよいと判断される可能性もなきにしもあらず。。。医師の指示に従ってください)

高コレステロール血症って?

高コレステロール血症とは、その名前の通り、コレステロール総量が血中に多い病気です。
食生活や運動習慣、遺伝、喫煙など様々な要因でなりますが、多くは食べ過ぎ・運動しなさすぎといった悪い生活習慣によってひきおこされます。

コレステロールが血中に増えたところで、痛くもかゆくもないのですが、だんだんと動脈硬化を招き、心筋梗塞や脳梗塞といった血管が詰まる系の病気のリスクを上げることがわかっています。

なので、ある程度正常な範囲内にコレステロール値を保つことが必要なのです。

アトーゼット配合錠LD・HDってどうやって効くの?

二つの有効成分が含まれているので、それぞれ作用の仕方を説明していきます。

エゼチミブ

小腸コレステロールトランスポーター阻害剤に分類される薬です。

コレステロールは、ここまでの話だと悪者扱いされそうですが、細胞の弾力性を維持したり、エネルギー源として活用されたり、なくてはならない物質でもあります。ただ、過剰な量が血液中にあると問題なだけです。

なので、消化管とくに小腸にコレステロールを積極的に吸収できるようにNPC1L1(Niemann-Pick C1 Like 1)と呼ばれる輸送体が存在しています。
この輸送体が、えっちらおっちら、食事や胆汁に含まれるコレステロールを吸収しています。

高コレステロール血症の方は、これ以上血液中にコレステロールはいらないので、この輸送体の機能を停止させたら、増えなさそうですよね?
そんな考え方から生まれたのが、エゼチミブになります。

アトルバスタチンカルシウム水和物

HMG-CoA 還元酵素阻害剤に分類される薬です。

HMG-CoA還元酵素とは、肝臓においてコレステロールを作り出す酵素です。
細胞の弾力性維持やエネルギー源として使われるので、体のなかからでも作れるようなシステムが備わってます。

この酵素の働きを止めることができれば、全体のコレステロール量を減らすことができそうですね?そういった考えから生まれたのが、アトルバスタチンのようなHMG-CoA還元酵素阻害剤になります。

アトーゼット配合錠LD・HDの用法・用量

【用法・用量】
通常、成人には 1 日 1 回 1 錠(エゼチミブ/アトルバスタチンとして 10mg/10mg 又は 10mg/20mg)を食後に経口投与する。

< 用法・用量に関連する使用上の注意 >
1.(略)
2.原則として、エゼチミブ 10mg 及びアトルバスタチンとして 10mg を併用している場合、あるいはアトルバスタチンとして 10mg を使用し効果不十分な場合に、本剤 LD(エゼチミブ/アトルバスタチンとして 10mg/10mg)の適用を検討すること。
3.原則として、エゼチミブ 10mg 及びアトルバスタチンとして 20mg を併用している場合、あるいはアトルバスタチンとして 20mg 又はエゼチミブ/アトルバスタチンとして 10mg/10mg を使用し効果不十分な場合に、本剤HD(エゼチミブ/ アトルバスタチンとして10mg/20mg)の適用を検討すること。
引用:アトーゼット 添付文書

アトーゼット配合錠LD・HDともに、1日1回、1錠服用する薬になります。
食後に服用するのですが、いつの食後なのかは、生活習慣や医師の考え方によって異なるので、医師の指示通り服用するようにしましょう。

また、アトーゼット配合錠LD・HDで治療を開始する場合は原則として、すでにリピトール10mg以上とゼチーアを併用している場合、もしくはリピトール10mg服用で効果がまだ不十分な方に限られます。

アトーゼット配合錠LD・HDの副作用

副作用として報告されていないのは、腹部膨満、便秘、胃炎といった消化器症状、ALT増加、AST増加、ALP増加、γ-GTP 増加といった臨床検査血異常です。

また、頻度はかなり低いですが、過敏症(アレルギー・アナフィラキシーショック)や横紋筋融解症を起こすことがあります。

横紋筋融解症

一時期週刊誌でもかなり話題になった、筋肉が溶ける病気である横紋筋融解症。
その名前の通り、筋肉が溶けてしまう病気です。詳細の作用機序は不明です。

高脂血症治療薬で生じる可能性が高いことは事実ですが、稀なのと、初期症状を知っておけば、ひどくなる前に治療することができます。

初期症状としては、運動してないにも関わらず筋肉痛が生じる・尿の色が赤っぽいなどです。
こういった症状がでたら、すぐに医師に相談するようにしましょう。
尿検査などで、ちゃんと調べてくれるかと思います。

アトーゼット配合錠LD・HDの注意点

アトーゼット配合錠には、一緒に服用してはいけない薬が存在します。

併用してはいけない薬

併用してはいけない薬は下記の通りです。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テラプレビル:(テラビック) アトルバスタチンの体内濃度が上昇して、副作用発現の可能性が高まる。 テラプレビルによるCYP3A4 の 阻 害が考えられている。
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル:(ヴィキラックス) アトルバスタチンの体内濃度が上昇して、副作用発現の可能性が高まる。 リトナビル の CYP3A4 阻害作用及びパリタプレビルによるアトルバスタチンの肝への取り込み阻害が考えられている。

アトルバスタチンが、CYP3A4と呼ばれる肝臓に存在する酵素によって、活性を失うのですが、これらの薬はCYP3A4の活動を止めてしまうため、アトルバスタチンが分解できずに、いつまでも活性を持っていることで、副作用発現の可能性が増加してしまいます。
そのため、併用してはいけないこととなっています。

原則として併用してはいけない薬

フィブラート系薬剤とは、原則として一緒に服用してはいけません。
横紋筋融解症の副作用がでるリスクがあがることがわかっているからです。

ただし、【原則として】なので、併用したほうがよりコレステロール値を下げることができ、そのほうが患者さんのメリットになると、医師が判断すれば、併用することもあります。

その他、使ってはいけない方

そのほか、アトーゼット配合錠を過去に服用して、アレルギー・アナフィラキシーショックなどの過敏症を起こしたことがある方は服用できません。
また、肝機能が著しく低下している方、妊婦の方・授乳婦の方も使用することができません。

まとめ

アトーゼット配合錠は、高コレステロール血症の治療薬として用いられます。
現在すでに販売されている、ゼチーアとリピトールが合わさった薬です。

1日1回、1回1錠を食後に服用することで効果を発揮します。

家族性ではない高コレステロール血症のそもそもの治療方針は、運動と食事などの生活習慣を正すというところなので、おろそかになっている方は、そういったところ見直すとよいでしょう。

服用に際しては医師の指示通り使用するようにしてください。

関連情報

ゼチーア(エゼチミブ)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る