ボツリヌス毒素について
ボツリヌス毒素は、クロストリジウム属に属するボツリヌス菌が作り出す毒素です。この毒素は非常に強力で、1gあれば約100万人を死に至らすことが可能であると言われています。ボツリヌス菌は嫌気性の菌なので、瓶詰などの空気がない状態であっても、増殖することが出来ます。
ボツリヌス症はボツリヌス毒素を含んだ食品を食べることで発症し、四肢のマヒを引き起こします。更に重篤な場合は、呼吸をする際に必要な筋肉をマヒさせ、呼吸困難で死に至るとされています。乳児ボツリヌス症の場合は、消化器系の障害の後に全身の脱力が起こるとされています。
ボツリヌス症の予防法
ボツリヌス症にならないためには、ボツリヌス毒素を摂取しないようにすることが必要になります。ボツリヌス毒素は熱を加えることで無害化されるので、熱を加えた調理をすることで、食中毒は回避できます。また、食品添加物である「亜硝酸ナトリウム」には、ボツリヌス菌の増殖を抑制する効果があるとされ、広く用いられています。
乳児ボツリヌス症は、乳児にはちみつを食べさせないようにすることで防ぐことが出来ます。
ボツリヌス毒素の治療への活用
危険な毒素であるボツリヌス毒素ですが、「痙性斜頸」という不随意な首の運動を生じる病気の治療に用いることがあります。というのも、ボツリヌス毒素は筋肉の緊張をマヒさせる毒素なので、過度に緊張しすぎている筋肉に対して、適切な量を投与することで、その緊張状態を改善する効果が期待できるからです。
まとめ
ボツリヌス毒素は、筋肉の緊張をマヒさせる毒素で摂取すると最悪死に至ることがあります。(乳児ボツリヌス症は致死率が低い。)ですが、加熱をすることで毒素を無害化することが出来ます。
その作用を応用し、痙性斜頸という病気の治療に用いられています。
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