眼軟膏と軟膏って何が違うの?

はじめに

病院で処方されるお薬のなかに、眼軟膏というものがあります。
眼軟膏とふつうの軟膏は何が違うのでしょうか?
今回はその疑問について、お答えしていきたいと思います。

目次

眼軟膏って?
眼軟膏と軟膏の違い
目のなかへの塗り方
まとめ

眼軟膏って?

眼軟膏とは、目の中に使用してもよい軟膏のことをさします。
日本薬局方(薬とは何ぞやというのを規定している公文書)に定められているのは、下記の通りです。

6.2. 眼軟膏剤
Ophthalmic Ointments
(1) 眼軟膏剤は,結膜嚢などの眼組織に適用する半固形の無菌製剤である.
(2) 本剤を製するには,通例,ワセリンなどの基剤と有効成分の溶液又は微細な粉末を混和して均質とし,容器に充塡する.
ただし,微生物による汚染に十分に注意し,調製から滅菌までの操作は製剤の組成や貯法を考慮してできるだけ速やかに行う.
(3) 本剤で多回投与容器に充塡するものは,微生物の発育を阻止するに足りる量の適切な保存剤を加えることができる.
(4) 本剤は,別に規定するもののほか,無菌試験法〈4.06〉に適合する.ただし,別に規定するもののほか,メンブランフィルター法により試験を行う.
(5) 本剤は,別に規定するもののほか,眼軟膏剤の金属性異物試験法〈6.01〉に適合する.
(6) 本剤中の粒子の最大粒子径は,通例,75 µm以下である.
(7) 本剤は,眼組織に適用する上で適切な粘性を有する.
(8) 本剤に用いる容器は,通例,微生物の混入を防ぐことのできる気密容器とする.製剤の品質に水分の蒸散が影響を与える場合は,低水蒸気透過性の容器を用いるか,又は低水蒸気透過性の包装を施す.
抜粋:第十七改正日本薬局方

まとめると

  • 眼軟膏は無菌製剤である
  • 金属性異物の混入を許さない
  • 粒子径が大きい物質の混入も許さない

となります。

眼軟膏と軟膏の違い

ふつうの軟膏と大きく異なる点は、微生物の混入を許さない無菌製剤である点と、金属性の異物混入を許さない点にあります。

やはり目は、皮膚のようにバリアー機能がそこまでないので、菌が存在したりすると容易に感染してしまう可能性があります。

また、金属性の異物や粒子径が大きい物質があると、ごろつき、角膜の傷つきの原因となってしまうため、それらを排除して作るよう求められています。

眼軟膏は目のなかに使用するほか、目の付近で塗ってると目の中に入ってしまう可能性がある場合に使われることがあります。

目のなかへの塗り方

目の中に塗るときは、綿棒などを使用して、あっかんべーした時にでる赤いところ(結膜)に塗るようにして下さい。
塗った後、目を数回開け閉じすれば、目全体にクスリが広がります。

手で塗ってしまうと、手の雑菌が目に入ったり、せっかく無菌でつくった軟膏に菌が入り増殖してしまうことも考えられるので、控えたほうがよいでしょう。

まとめ

眼軟膏は、目の中に使用してもよいように作られた軟膏です。
ふつうの軟膏と異なり、無菌・金属性異物がない・粒経が大きい物質がないです。

目のそばに使用するときにも、目のなかにはいってもよいように、眼軟膏が処方されることがあります。

使用に際しては医師の指示通り使用するようにしましょう。

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