日本ベーリンガーインゲルハイム(NBI)は5月7日、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能・再発非小細胞肺がんの治療薬としてジオトリフ錠(一般名:アファチニブマレイン酸塩)を発売したと発表した。同社としては初の抗がん剤。
引用:NBI EGFR陽性非小細胞肺がん治療薬ジオトリフ錠発売 初の抗がん剤
ジオトリフとは
ジオトリフは、一般名アフィチニブマレイン酸塩と呼ばれる肺がんに対する治療薬です。
肺がんの中でも、EGFR遺伝子変異陽性かつ、手術不能または再発してしまった非小細胞肺がんの治療薬です。
ジオトリフの特徴としては、「不可逆的」にEGFR遺伝子変異型をブロックすることができる点といえます。
EGFR遺伝子変異型をブロックすることができる薬としては、タルセバ(一般名:エルロチニブ塩酸塩)、イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)がありますが、これらは「可逆的」にブロックする薬です。
副作用について
ジオトリフの副作用については、以下のような症状が報告されています。
- 下痢
- 発疹
- 爪周囲の炎症
- 間質性肺疾患
- 皮膚障害
など
EGFR遺伝子とは
EGFRは、Epidermal Growth Factor Receptorの略で、日本語にすると上皮成長因子受容体といいます。
この受容体は、刺激を受けると細胞の増殖に関与することが知られています。
一部のがん細胞の表面には、この受容体の変異体が多く存在します。この変異体は厄介なことに、常に刺激を受けてる状態になっており、簡単にいうと細胞の増殖に歯止めがきかない状態になっています。
そのため、EGFRの変異体が存在しているがん細胞は増殖し続けてしまい、がんが成長する一因になっています。
ちなみに、このEGFRを作らせる遺伝子はerbBと呼ばれています。
非小細胞肺がんとは
非小細胞肺がんとは、肺がんの中で小細胞肺がんではない種類の肺がんのことを指します。(そのまんまですね笑)
非小細胞肺がんも以下の種類に分かれます。
- 扁平上皮がん
- 大細胞がん
- 腺がん
非小細胞肺がんは喫煙によってリスクが高まるがんとして知られています。
初期の症状を挙げてみると、以下のような症状があります。
- 咳
- 息切れ
- 胸部の痛み
- 痰に血液がまじる
- 食欲不振
など
進行度合いによって治療法がかわり、初期の段階では、外科的切除+抗癌剤による化学療法で治療を行い、中期では外科的切除+抗癌剤による化学療法+放射線治療が用いられます。終期では、化学治療をメインに治療を進めます。
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