【グラジナ(グラゾプレビル)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

グラジナはC型肝炎の治療薬として用いられます。
服用する際には、必ずエレルサと一緒に服用することと決められています。

今回は、グラジナについて効果効能、副作用や注意点について紹介して生きたいと思います。

目次

グラジナってどんな薬?
グラジナってどうやって効くの?
グラジナの用法・用量
グラジナの副作用
グラジナの注意点
まとめ

グラジナってどんな薬?

グラジナはC型肝炎の治療薬として用いられます。
日本では、2016年11月に販売が開始されました。

この薬は必ず、エレルサと一緒に服用することと、されています。

効能又は効果
セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善

効能又は効果に関連する使用上の注意
本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。また、肝予備能、臨床症状等により、非代償性肝硬変でないことを確認すること。
引用:グラジナ 添付文書

グラジナは、C型肝炎の治療薬として用いられます。
使用する前には、【HCV RNA陽性である】ことと、【非代償性肝硬変でないこと】を確認する必要があります。

【HCV RNA陽性である】とは、C型肝炎に感染していることの証明となります。C型肝炎以外には効果がない薬なので、きちっと確かめる必要があります。

【非代償性肝硬変でないこと】とは、非代償性肝硬変というのが、回復する見込みがある肝臓の状態をいうので、その反対の、ウイルスをしっかり殺せば、回復する見込みがあるよね?というのを確認するということです。

グラジナってどうやって効くの?

グラシナの有効成分グラゾプレビルは、非構造蛋白(NS)3/4Aプロテ
アーゼ阻害の作用を有します。

NS3/4Aプロテアーゼは、C型肝炎ウイルスが増殖する際に、タンパク質を切断する酵素ですが、この切断された断片が増殖に必要不可欠であることがわかっています。
そのため、NS3/4Aプロテアーゼの機能を阻害されてしまうと、C型肝炎ウイルスが増殖できなくなってしまいます。

グラジナの用法・用量

用法及び用量

通常、成人にはグラゾプレビルとして100mgを1日1回経口投与する。
本剤はエルバスビルと併用し、投与期間は12週間とする。

用法及び用量に関連する使用上の注意
本剤の単独投与は行わないこと。(本剤の単独投与による有効性及び安全性は確立していない。)エルバスビルの投与を中止する場合は、本剤の投与も中止すること。
引用:グラジナ 添付文書

グラジナは、1日1回服用する薬です。
1錠が50mgなので、2錠服用します。
必ず、エレルサ(エルバスビル)と併用して、12週間服用します。

途中なんらかの理由で中止する際には、かならずエレルサも中止することとされています。

グラジナの副作用

エレルサと併用した時に生じた主な副作用は下記の通り。
ALT(GPT)増加・AST(GOT)増加・頭痛・倦怠感・下痢・便秘・発疹です。

肝臓に対して少しダメージを与えるようで、ASTやALTといった肝機能を示す検査値が悪化する可能性があります。

こうした副作用を早期発見するためにも、血液検査を定期的に行います。

グラジナの注意点

グラジナには、服用してはいけない方と、一緒に服用してはいけない薬が設定されています。

服用してはいけない方

禁忌(次の患者には投与しないこと)
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)中等度又は重度(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害のある患者[グラゾプレビルの血中濃度が上昇するおそれがある。]
(3)下記の薬剤を投与中の患者:シクロスポリン、アタザナビル、ダルナビル、ロピナビル・リトナビル、サキナビル、カルバマゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン、フェノバルビタール、リファブチン、セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、エファビレンツ、リファンピシン
引用:グラジナ 添付文書

まず、過去にグラジナを服用して、アレルギーやアナフィラキシーショックを引き起こしたことがある方には使用することができません。

次に、ある程度以上の肝機能障害を有する方にももちいることができません。
グラジナは肝臓で変化(代謝)されて、体外に排泄されるのですが、肝臓機能が低下していると、その変化がうまくいかず、血中に過剰に貯留してしまい、副作用がでやすくなってしまうためです。

最後に、ある種の薬や食品を服用している方には用いることができません。
詳細は後述します。

一緒に服用してはいけない薬

併用禁忌(併用しないこと)
1.薬剤名等
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)

臨床症状・措置方法
併用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇する。

機序・危険因子
シクロスポリンの併用により、肝トランスポーターであるOATP1Bが阻害される。

免疫抑制剤であるシクロスピリンは、肝臓にある輸送体(トランスポーター)である、OATP1B(有機アニオン輸送ポリペプチド1B)を阻害することで知られています。

グラジナは、このトランスポーターを使って肝臓に集められ、効果を発揮したり、代謝されたりするので、このトランスポーターの機能が抑えられることで、血中の濃度があがり、別の部位での副作用発現の懸念が高くなります。

2.薬剤名等
アタザナビル(レイアタッツ)
ダルナビル(プリジスタ)
ロピナビル・リトナビル(カレトラ)
サキナビル(インビラーゼ)

臨床症状・措置方法
併用により、グラゾプレビルの血中濃度が上昇する、あるいは上昇すると予測される。

機序・危険因子
これら薬剤の併用により、肝トランスポーターであるOATP1Bが阻害される、あるいは阻害されると予測される。

これらの薬も1と同様にOATP1Bを阻害することで、血中のグラジナ濃度が上がってしまうと考えられているため、一緒に服用してはいけません。

3.薬剤名等
カルバマゼピン(テグレトール)
フェニトイン(アレビアチン)
ホスフェニトイン(ホストイン)
フェノバルビタール(フェノバール)
リファブチン(ミコブティン)
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法
併用により、グラゾプレビルの血中濃度が低下すると予測され、本剤の治療効果を減弱させるおそれがある。

機序・危険因子
これら薬剤及び食品の併用により、CYP3A代謝が誘導される。

グラジナは、CYP3A4と呼ばれる酵素によって、変化したのちに体外に排泄されます。
これらの薬剤は、CYP3A4の量を増やすことができるので、グラジナが早く排泄されてしまい、期待した効果を得られなくなってしまいます。

4.薬剤名等
エファビレンツ(ストックリン)

臨床症状・措置方法
併用により、グラゾプレビルの血中濃度が低下し、本剤の治療効果を減弱させるおそれがある。

機序・危険因子
エファビレンツの併用により、CYP3A代謝及びP-gpが誘導される。

エファビレンツは、CYP3A4の量を増やすだけではなく、P-gp(P糖タンパク質)と呼ばれる、異物を体外に排出する機能を担うやつも増やしてしまいます。
その結果、体内のグラジナ量が著しく少なくなってしまい、C型肝炎ウイルスを殺す作用を発揮できなくなってしまいます。

5.薬剤名等
リファンピシン(リファジン)

臨床症状・措置方法
併用により、初期にグラゾプレビルの血中濃度が上昇する。その後、併用を継続するとグラゾプレビルの血中濃度が低下する。

機序・危険因子
リファンピシンの併用により、肝トランスポーターであるOATP1Bが阻害される。また、リファンピシンの継続的な併用により、CYP3A代謝が誘導される。

リファンピシンは、OATP1Bが阻害されてしまうことで、肝臓へグラジナが移行できず、血中濃度が上がってしまいます。
ところが、継続使用することで、CYP3A量が増えてしまうため、今度は反対に代謝が早く生じてしまうので、血中濃度が下がってしまいます。

そのため、コントロールが難しくなってしまうため、併用は禁止とされています。

まとめ

グラジナはC型肝炎を治療する薬です。
有効成分はグラゾプレビルで、NS3/4AプロテアーゼというC型肝炎ウイルスが増殖する際に必要不可欠な酵素を阻害することにより、ウイルスの増殖を阻む効果を有します。

グラジナは、必ずエレルサ(エルバスビル)と併用することとされています。
それぞれがもつC型肝炎ウイルスの増殖する作用を掛け合わせることで、シナジーを生み、より確率高くC型肝炎ウイルスを駆逐できるためです。

服用に際しては、医師の指示通り使用するようにしましょう。

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