はじめに
ハルナールは前立腺肥大症を伴う排尿障害に用いられる薬です。
有効成分はタムスロシンで、尿の通りをよくする効果を持ちます。
今回は、ハルナールについて、効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
ハルナールってどんな薬?
ハルナールってどうやって効くの?
ハルナールの用法・用量
ハルナールの副作用
ハルナールの注意点
まとめ
ハルナールってどんな薬?
ハルナールは、前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる薬です。
おじさん年代以降の方が尿がでにくいなーというときには、この前立腺肥大症がまず疑われます。
ハルナールの有効成分はタムスロシン硫酸塩で、日本では2005年6月に販売が開始されました。
効能又は効果
前立腺肥大症に伴う排尿障害
引用:ハルナールD錠 添付文書
前立腺肥大症とは
前立腺は男性特有の臓器で、膀胱の真下に、尿路を取り囲むような形で存在します。
年齢を重ねるごとにだんだんと大きくなっていく方がおおく、50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%程度の方が前立腺肥大がみられます。
ですが、かならずしも治療を必要とするわけではなく、必要となるケースは4分の1程度とされています。
前立腺が肥大する原因は未だ特定されてはいませんが、男性ホルモンの量が原因ではないかと考えられています。
前立腺肥大症の主な症状としては、【排尿症状】【蓄尿症状】【排尿後症状】があります。
排尿症状としては、尿の勢いが弱かったり、でにくさを感じたり、力まないとでないといった症状です。
そりゃそうですよね。尿の管の周りを圧迫されているので。。。
蓄尿症状とは、尿路が圧迫されていることで、尿ができらないで溜まり、頻尿となる症状です。
昼間8回、夜間1回寝た後にトイレにおきる症状が、それぞれ昼間頻尿、夜間頻尿とされています。
排尿後症状は、排尿後の残尿感の症状です。
これらの症状によって、日常生活を維持できない場合、治療してどうにかしようという話になります。
ハルナールってどうやって効くの?
ハルナールの有効成分タムスロシンは、尿道及び前立腺部に存在するα1受容体を遮断することにより、前立腺による尿管の圧迫を抑える効果があります。
この作用の仕組みを説明するには、まず交感神経について説明しないといけません。
交感神経とは、活発な動きをする例えば運動するときなどに働く神経系です。
交感神経が活性化すると、尿がでにくくなるようになります。
そりゃそうですよね、運動しているときにトイレいきたくなる余裕はなくなるので。
α1受容体は、交感神経の刺激を伝えるスイッチの一つですが、このスイッチが刺激されると尿道を締め付けることで尿がでにくくなります。
逆に、α1受容体の刺激が伝わりにくくすれば、尿道が弛緩し尿が出やすくなります。
そのため、タムスロシンを服用することで、尿の出がよくなります。
α1受容体は前立腺、尿路以外にも存在するのですが、タムスロシンは特に前立腺、尿路のα1受容体を遮断するように設計されています。
ハルナールの用法・用量
用法及び用量
通常、成人にはタムスロシン塩酸塩として0.2mgを1日1回食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
引用:ハルナールD錠 添付文書
ハルナールは、通常0.2mg錠を1日1回食後に服用します。
ですが、症状や年齢によっては、その半分の0.1mg錠を1日1回などの使われ方をします。
ハルナールの副作用
主な副作用として、めまいや胃部不快感が生じる可能性があります。
また、血圧低下の可能性があるので、注意が必要です。
たちくらみやめまいが生じる可能性があるので、高所での作業や自動車運転はより一層の注意をはらうようにしましょう。
血圧の薬を服用している場合は、特に注意です。
ハルナールの注意点
α1受容体は血管にも存在し、それを少し遮断してしまうために、血圧が下がり、ふらつき、めまい、たちくらみといった症状が生じる可能性があります。
そのため、高所作業や自動車運転、そのほかふらつき・めまいが生じると、事故等が生じる可能性がある作業は注意が必要です。
高血圧の薬を一緒に服用している場合は、特に注意してください。
まとめ
ハルナールは、前立腺肥大症の治療に用いられる薬です。
尿路を締め付けるα1受容体の刺激を遮断することで、尿路の締め付けをほどき、尿を出しやすくする効果を発揮します。
服用に際しては、医師の指示どおりにしてください。
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