これからだんだん暑くなってきますが、心配になってくるのは「熱中症」ですね。地球温暖化やヒートアイランド現象等々「熱中症」になりやすい環境が都市部を中心に作られています。熱中症によって命を落とす人は毎年何百人単位でいるのですが、予防法と対策法をあらかじめ知っておくことで、未然に防ぐことが出来る人も大勢いると思います。
今回は「熱中症」について、予防法と対策法を中心に書いていきます。
熱中症ってどんな病気?
そもそも、熱中症とはどんな病気なのでしょうか?知ってるようで知らない人も多いのではないでしょうか。熱中症とは、高温環境下における体の適応障害に伴う身体状態(脱水症状・塩分バランスの調節破綻)のことをさします。
※ちなみに、日射病というのは太陽光線が原因となり生じた熱中症のことです。
熱中症は、野外に限らず室内でも起こりうる病気です。また、運動時だけの病気ではなく、普段の生活をしていても熱中症になってしまう可能性も十分考えられます。
日本の高温多湿な気候は、汗が蒸発することによる体温を下げる働きがしづらいので、特に熱中症になりやすい気候です。また、都市部では、ヒートアイランド現象によって気温が上昇しているので、特に注意したほうが良いでしょう。冷房の効いたオフィス等で働いている人は、体温調節機能が低下しているため、急に暑い野外に出ることで熱中症になってしまうことも少なくありません。
特に熱中症の危険性があがるのは、梅雨明けの暑くなる時期です。まだ、体が暑さに十分慣れていないので、体温調節がうまくいかず熱中症になる可能性が上がります。また、高齢者や子供では、特に体温調節機能が上手く働かないので、より一層の注意が必要です。
子供は身長が低いので、アスファルトからの熱を感じやすいと言う事も知っておくと良いでしょう。
熱中症の症状・予防法・対処法について
熱中症の症状
重症度Ⅰ度 | めまい、立ちくらみ、筋肉の痛み、大量の汗をかく |
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重症度Ⅱ度 | 頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感 |
重症度Ⅲ度 | 意識がなくなる、痙攣をする、会話ができない、体温が高い |
このように重症度別に分類されています。
熱中症の予防
- ①こまめな水分補給・塩分補給
- 汗をかくことで体内の水分量が減っているため、こまめに水分補給をしましょう。喉が渇いたと思った時点でもうすでに脱水症状なので、喉が渇いたから飲むのではなく、喉が渇く前に飲むことを心がけるようにしましょう。水分を取るだけではなく塩分も取ることを忘れずに取りましょう。塩分の目安としては、ナトリウム量で40~80mg/100mL、食塩だと100mg~200mg/100mLです。
室内でも真夏日・熱帯夜などの暑い日では熱中症になる可能性があるので、室内にいる場合でもこまめに水分補給をしましょう。また、寝てるときは汗をかいて水分がなくなっていくので、寝る前にも水分補給を忘れずに! - ②日なたでの活動を避ける
- 日なたでの活動は熱中症のリスクをかなり高めます。室内においても日なたの方が熱中症の危険性は高くなります。どうしても日なたで作業しなければならないときは、いつも以上に水分・塩分補給をしましょう。
- ③エアコンを適切に使う
- 室内の温度をガンガン下げれば熱中症にかからないでしょ?と思うかもしれませんが、室内と野外との温度差が激しすぎると、体に負担がかかってしまいます。なので、24~28℃の室温を保つように心がけましょう。暑さにある程度慣れることも、熱中症予防には大事な事です。
- ④体調管理をしっかりする。
- 体調不良の際は、熱中症になりやすくなりますので、無理をしないようにしましょう。特に運動等をする際に少しでも体調不良を感じたならば、運動を行わないようにしましょう。
熱中症になってしまったら
- 重症度Ⅰ度
- 野外にいる場合は、屋内や日陰に避難をして、スポーツドリンク等で水分補給と塩分補給を行いましょう。体温を放出しやすくするために衣服をゆるめる、うちわや扇風機で仰ぐなど、熱を外に逃がすような努力をしましょう。
- 重症度Ⅱ度
- 室内、日陰へと非難して、足を高くして休みましょう。重症度Ⅰ度のように、体温を下げる努力をしましょう。水分補給と塩分補給を行うのですが、嘔吐等を起こしていて水分を摂取できない場合は、速やかに病院へ連れて行きましょう。
- 重症度Ⅲ度
- 室内、日陰へと非難して、水や氷を用いて、首・わきの下・足の付け根などの血管が集中したところを積極的に冷やしましょう。同時に、救急車を要請しましょう。意識がなくなったり、痙攣したり、まっすぐに歩けないなど、どう考えてもおかしいと思ったら、すぐに救急隊を要請しましょう。大丈夫だろー。という思いが手遅れにつながります。
まとめ
熱中症は予防法と対処法を知っていて、それを実践すれば防ぐことが出来る病気です。
こまめな水分補給と塩分補給を忘れずに、暑い夏を乗り越えましょう!
参考資料:熱中症環境保健マニュアル
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