臨床試験に関連するニュルンベルク綱領やヘルシンキ宣言について

臨床試験というのは、医薬品の効果を確かめるために、人間を対象として行われる試験のことを言います。人間に対して行われるため、そこには厳格な決まりや倫理的制約が設けられています。ニュルンベルク綱領やヘルシンキ宣言はそれらの基準を定めたものです。

ニュルンベルク綱領

ニュルンベルク綱領は、1947年に行われた、ナチス・ドイツによる人体実験等の犯罪を裁いたニュルンベルク裁判において提示された、研究目的での医療行為を行うにあたって必ず守るべき10項目の原則のことを指します。

  • 実験に参加する被験者は、必ず自発的な同意のもとで参加すること
  • 無計画、無駄に行わないこと
  • 被験者は実験参加後も自由に止めることができること
  • 不必要な苦痛は与えてはいけないこと
  • 被験者を保護するために、必要な準備を徹底的にすること

などが定められています。

ヘルシンキ宣言

ヘルシンキ宣言は、ニュルンベルク綱領をもとにして、1964年ヘルシンキで行われた世界医師会で採択されました。正式には「人間を対象とする医学研究の倫理的原則」と言います。

  • 患者、被験者の権利を最大限に尊重すること
  • 自発的意思・自由意思によって参加すること
  • インフォームド・コンセント(正しい知識を得たうえでの合意)取得を行うこと
  • 倫理審査委員会を設置すること

などが定められています。

現在行われている臨床試験ではこれらのことをしっかりと守るように行われているはず・・・です。
臨床試験では被験者の意志が絶対的に尊重され、参加を決めた後でも、特に明確な理由がなくても臨床試験を途中で止めることができますし、決断をせかされたりすることもないでしょう。

まとめ

ニュルンベルク綱領やヘルシンキ宣言は人間に対する臨床試験を行う際の倫理や基準を明文化したものです。これらの基準にのっとり臨床試験は行われています。
臨床試験を行うにあたってもっとも尊重されるべきは、被験者の意志とされています。
医療の発展のためには、臨床試験のような試験がどうしても必要になりますが、こういった倫理的なことや基準は今後も破られることのない世の中が続いてほしいものです。

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