はじめに
ラコールNF配合経腸用液は、経管もしくは経口で用いる栄養剤です。
カロリーだけではなく、生命の維持に必要なミネラル・ビタミンをバランスよく含んでいます。
今回は、ラコールNF配合経腸用液について説明していきたいと思います。
目次
ラコールNF配合経腸用液ってどんな薬?
ラコールNF配合経腸用液ってどういう人に使うの
ラコールNF配合経腸用液の用法・用量
ラコールNF配合経腸用液の副作用・注意点
まとめ
関連情報
ラコールNF配合経腸用液ってどんな薬?
ラコールNF配合経腸用液は、経口(普通に飲む)こともできるし、経管(鼻や口から管を腸まで入れる方法、飲み込めない人などに用いる)でも使用することができる薬です。
生命の維持に必要なカロリー分・炭水化物・タンパク質・脂質・ミネラル・ビタミン類をバランスよく含んでいます。
カロリーは1kcal/mLで、少ない量でも効率よく摂取することが出来ます。
200mL(200kcal)中に含まれている成分は下記の通り。
たん白質 | 8.76 g |
脂肪 | 4.46 g |
糖質 | 31.24 g |
ナトリウム | 147.6 mg(6.4mEq) |
カリウム | 276 mg(7.0mEq) |
カルシウム | 88 mg(4.4mEq) |
マグネシウム | 38.6 mg(3.2mEq) |
リン | 88 mg |
塩素 | 234 mg(6.6mEq) |
鉄 | 1,250 μg |
亜鉛 | 1,280 μg |
マンガン | 266 μg |
銅 | 250 μg |
レチノールパルミチン酸エステル | 414 IU |
コレカルシフェロール | 27.2 IU |
トコフェロール酢酸エステル | 1,300 μg |
フィトナジオン | 12.5 μg |
チアミン | 760 μg |
リボフラビン | 490 μg |
ピリドキシン | 750 μg |
シアノコバラミン | 0.64 μg |
アスコルビン酸 | 56.2 mg |
ニコチン酸アミド | 5 mg |
パントテン酸 | 1,916 μg |
葉酸 | 75 μg |
ビオチン | 7.72 μg |
トリカプリリン | 1,500 mg |
リノール酸 | 900 mg |
α-リノレン酸 | 300 mg |
同じ味だとあきてしまうので、200MLの製品には、ミルク・コーヒー・バナナ・コーンの味が用意されています。
ラコールNF配合経腸用液ってどういう人に使うの?
効能又は効果
一般に、手術後患者の栄養保持に用いることができるが、特に長期にわたり、経口的食事摂取が困難な場合の経管栄養補給に使用する。
引用:ラコールNF配合経腸用液 添付文書
ラコールNF配合経腸用液は、食事だけでは栄養を賄うことができない方に用いられます。
高齢者の方や嚥下困難の方、手術後の患者さんで広く使われています。
嚥下困難の場合については、鼻からチューブを腸まで通す経鼻チューブを用いることがあります。
さらに長期間、経管からの栄養が必要な場合には、胃瘻や腸瘻を作成して経腸栄養液を用いるほうがよいとされています。
経鼻チューブだと、鼻や食道で炎症が生じてしまい、壊死してしまう可能性があるからです。
そもそも栄養補給するなら、点滴でいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、胃や小腸・大腸をまったく使わないでいると、腸の粘膜が弱くなってしまい、腸にいる細菌群が体内に入ってきてしまう可能性があります。
腸の機能が損なわれていない限りは使っておいたほうがよいことがわかっています。
ラコールNF配合経腸用液の用法・用量
用法及び用量
通常、成人標準量として1日1,200~2,000mL(1,200~2,000kcal)を経鼻チューブ、胃瘻又は腸瘻より胃、十二指腸又は空腸に1日12~24時間かけて投与する。投与速度は75~125mL/時間とする。経口摂取可能な場合は1日1回又は数回に分けて経口投与することもできる。
また、投与開始時は、通常1日当たり400mL(400kcal)を水で希釈(0.5kcal/mL程度)して、低速度(約100mL/時間以下)で投与し、臨床症状に注意しながら増量して3~7日で標準量に達するようにする。
なお、年齢、体重、症状により投与量、投与濃度、投与速度を適宜増減する。
引用:ラコールNF配合経腸用液 添付文書
基本的には、食事から摂取できない栄養分だけ、栄養剤から摂取するという考えで量を調節します。
ラコールNF配合経腸用液の副作用・注意点
ラコールNF配合経腸用液で多く見られる副作用は、下痢・腹部膨満感・腹痛・悪心・嘔吐といった消化器系の症状です。
特に【下痢】は、こういった栄養剤では多く見られる副作用です。
というのも、この栄養剤は体内の水分よりも濃い液体なので、浸透圧の関係で、腸内に水分がでてきてしまうため、下痢が起こるとされています。
ただ、慣れてしまうと下痢も収まって方が多いので、一旦は続けてみるのも良いと思います。
まとめ
ラコールNF配合経腸用液は、食事から生命の維持に必要な分だけ栄養を摂取できない方が利用する栄養剤です。
そのまま飲むこともできますし、経鼻チューブ、胃瘻・腸瘻から利用することもできます。
関連情報
経口・経腸栄養剤
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