はじめに
スペリアは、有効成分フドステインの気道分泌細胞正常化剤です。
気道に分泌液を放出する細胞である胚細胞の過形成を抑制する効果があるほか、気道の炎症を鎮める効果などがあります。
日本では、錠剤と内用液の製剤タイプが販売されています。
今回はスペリアの効果効能、副作用や注意点について、紹介します。
目次
スペリアってどんな薬?
スペリアって何の病気に使えるの?
スペリアってどうやって効くの?
スペリアが効くかってどうやって確かめたの?
スペリアの一般的な使う量と回数
スペリアの副作用
スペリアで気を付けることは?
スペリアのジェネリック(GE)ってあるの?
スペリアの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
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スペリアってどんな薬?
スペリアは、気道分泌細胞正常化剤です。
有効成分はフドステイン。
日本では、錠剤が2001年12月に、内用液が2004年7月に販売が開始されました。
効能又は効果
以下の慢性呼吸器疾患における去痰
気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、肺気腫、非定型抗酸菌症、びまん性汎細気管支炎
引用:スペリア インタビューフォーム
スペリアって何の病気に使えるの?
気管支喘息
気管支喘息は、気道に炎症が生じているためかなり敏感になっており、タバコ・気温変化・ほこりなどのストレスが原因となり、気道が狭まってしまう病気です。
息苦しさを覚える発作がでるのが特徴です。
慢性気管支炎
せきとたんの症状が長く続く病気です。
慢性的に気管支に炎症が生じている場合で、原因が分からないときにつけられる病名です。
長年たばこを吸っている場合などに生じる可能性が高いとされており、肺胞(肺の空気交換の場)で炎症が生じている肺気腫を一緒に生じている可能性が高いです。
慢性気管支炎と肺気腫合わせて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれます。
気管支拡張症
何らかの理由で気管支が広がってしまった病気です。
生まれつきの場合もあれば、幼少期の肺炎や細菌感染によって、気管支壁が弱くなることによって生じます。
気管支拡張により、気管支壁が弱くなっている部分が細菌に侵されやすく、肺炎の原因となること。その結果、壊れた部分が広がってしまいます。
主な症状として、痰や咳、肺炎があります。
肺結核
結核菌が原因となり生じる病気です。
日本では、患者数は減っているものの、0ではありません。
せきやたん、血痰などの症状があり、せきやたんが2週間以上続く場合は、肺結核の可能性があるので、受診をおすすめします。
塵肺症
鉱物性の粉塵を吸い込んだことによって生じる病気です。
アスベスト(石綿)によるものが有名です。
鉱物性の粉塵は、体内で分解できないために、肺の奥底に溜まってしまい、それが原因により肺の線維化が進み、柔軟性が失われてしまいます。
その結果、咳や痰、息切れ、呼吸困難などの症状が生じます。
肺気腫
肺胞が炎症により破壊されてしまい、咳や痰、労作時息切れ(運動時の息切れ)、喘鳴(ぜーぜーという音がする)、動悸などの症状がでる病気です。
喫煙や加齢、大気汚染などにより生じると考えられています。
慢性気管支炎と肺気腫合わせて、COPD(慢性閉塞性肺疾患)と呼ばれます。
非定型抗酸菌症
非定型抗酸菌とは、結核菌群、らい菌、ヨーネ菌を除くミコバクテリウム属菌の総称を指します。
びまん性汎細気管支炎
呼吸細気管支という、気管支の先っちょに存在する細い気管支を中心に炎症が生じることで生じます。
咳や痰がでて、息苦しさを感じる病気です。
スペリアってどうやって効くの?
スペリアの有効成分フドステインは、以下の複数の作用により気道分泌を正常にする効果があります。
それぞれ、説明していきます。
痰(気道粘液)の主成分であるムチンを分泌する杯細胞の過形成抑制作用
痰のほとんどは水分ですが、あの粘り気を作り出している物質がムチンです。
ムチンは杯細胞から分泌されますが、炎症が生じるている場合は、杯細胞が多く作られてしまうことが分かっています。
それを正常化させることで、粘性を弱め、排出しやすくする効果があります。
粘液修復作用
痰のムチンはフコースとシアル酸により作られていますが、炎症している場合、その比率が変化し、より粘性が高くなるようになってしまいます。
フドステインは、その比率を正常化させ、粘性を弱め、排出しやすく効果を発揮します。
漿液性気道分泌亢進作用
漿液性気道分泌とは、水っぽい液のことを指します。
つまり、漿液性気道分泌を亢進させることにより、より水っぽくする効果を発揮し、痰を排出しやすくなります。
気道炎症抑制作用
気道の炎症を鎮める効果があります。
スペリアが効くかってどうやって確かめたの?
【臨床成績】
本剤の適応疾患を対象に効果判定が行われた369例中、最終全般改善度で中等度改善以上と評価されたものは266例(72.1%)であった。なお、プラセボとの二重盲検比較試験において、本剤の有効性が確認されている。
引用:スペリア 添付文書
実際に患者さんに服用してもらい、改善したかどうかで判断し、改善した率がプラセボ群(臨床試験のときに使用される有効成分が含まれていない薬、偽薬とも)と比較したときに有意差があったので、有効性が確認されたとのことで、今日用いられています。
スペリアの一般的な使う量と回数
スペリア錠
通常、成人にはフドステインとして1回400mgを1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。スペリア内服液 8%
通常、成人には1回5mL(フドステインとして400mg)を1日3回食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
引用:スペリア インタビューフォーム
フドステインとして400mgを1回として、1日3回服用します。
フドステインとして400mgとは、1錠200mgなので、2錠分。内服液は8%なので、5mL分となります。
年齢や症状により、適宜増減するとあるので、医師の指示に従うようにしてください。
スペリアの副作用
副作用として主に報告されているのは、食欲不振・悪心・嘔吐・頭痛や腹痛・胸焼け・下痢・便秘などです。
使用していて、違和感や体調悪化あれば、医師に相談するようにしてください。
スペリアで気を付けることは?
飲み忘れないように
スペリアは、慢性の呼吸器疾患の痰を排出しやすくする効果があります。
そのため、服用忘れがあったりすると、痰が排出しづらくなり、喉につまりがちになり、病状の悪化や発作症状がでてしまう可能性があります。
きちんと、服用時点を守って、服用忘れがないように服用し続けましょう。
授乳は中止する必要あり
スペリアは母乳へ移行することが確認されています。
乳児への影響を避けるため、スペリアを服用中は授乳を中止する必要があります。
詳しくは医師に相談するようにしてください。
また、妊娠・妊娠可能性がある場合にも、早めに医師に申し出ましょう。
スペリアのジェネリック(GE)ってあるの?
2018年3月時点では、スペリアのジェネリックは販売されていません。
スペリアの市販薬(OTC)ってあるの?
慢性呼吸器疾患用の去痰薬は、市販薬(OTC)では販売されていません。
適切に病気を管理しないと、悪化したり発作の可能性があるので、医師の診察を受けるようにしてください。
まとめ
スペリアは、慢性呼吸器疾患の去痰に用いられる薬です。
有効成分は、フドステインです。
日本では、錠剤と内用液の2つの剤形タイプが販売されています。
痰が絡むことで、発作や息苦しさが生じるので、それを解消する目的で用いられます。
飲み忘れなどあると、発作・息苦しさ生じるので、忘れないように注意してください。
服用に際しては、医師の指示どおりに服用するようにしましょう。
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