気管支喘息の気道リモデリングによる症状悪化って?

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はじめに

喘息は治療をしっかりしないと、症状が悪化していくことで知られています。
どうして、悪化していくのでしょうか?そのカギを握っているのが、気道リモデリングです。

今回は、気道リモデリングについて説明します。

目次

ぜんそくとは?
ぜんそくをちゃんと治療しないと悪化する?
気道リモデリングを防ぐには
まとめ

ぜんそくとは?

そもそも喘息とはどんな病気なのでしょうか?

喘息は、簡単に言ってしまえば気道が炎症している状態のことを指します。
気道が狭くなっているので、呼吸をすると苦しかったり、呼吸をするとぜーぜーやヒューヒューとした音が聞こえたり、せき込んだりしてしまいます。

ただ、常日頃から呼吸が苦しいというわけではなく、症状がないときもあります。
症状がないときでも、気道が狭くなっていたり、炎症が起きていたり、気道の上皮がめくれたりしているので、外部からの刺激に対しては敏感になっています。
ここに、ほこりやストレス、たばこによる刺激が加わることで、発作が生じてしまうとされています。

夜間や早朝などの気温が低い時に喘息の発作は生じやすいとされています。

患者数の増加

喘息の患者は平成に入ってから急激に増えてきています。
子供で約5%、大人で約3%の方が喘息の患者であるというデータがあります。

原因としては、環境汚染・大気汚染、建築資材の発展に伴なうアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす物質のこと)の増加、長時間労働によるストレスなどが考えられています。
また、仮説として、居住空間がきれいになりすぎたことがあげられています。
つまり、かつては、居住空間にアレルゲンがある程度あり、常日ごろから暴露されていたために体が慣れていたために、ある程度のアレルゲンに暴露されたとしても発作が生じなかった。
しかし、最近は居住空間が清潔すぎており、常日ごろの暴露がないため、いきなりほこりやストレス、たばこによる暴露があるとアレルギー反応が生じてしまうのではないか?という仮説があります。

ぜんそくをちゃんと治療しないと悪化する?

喘息は気道の炎症というのは、説明した通りです。
きちんと治療を行っていないと発作が生じてしまい、気道リモデリングと呼ばれる現象を引き起こしてしまいます。

気道リモデリングとは、気道の炎症がずっと続いてしまうと、気道壁が厚くなりさらに気道が狭くなってしまう現象のことを指します。
しかも厄介なことに、一度気道壁が厚くなってしまうと、元には戻らないという性質があります。
なので、呼吸機能が落ちてしまい、それがずっと続くので息苦しさが続いてしまうような事態に陥ってしまいます。
息苦しさで済めばよいですが、最悪なのは酸素と二酸化炭素の交換がうまく行えず、死に至ってしまうケースもあります。

子供の喘息では、大人よりも治りやすいといわれているのは、この気道リモデリングがまだ起きていない人が多いためです。
子供のときに炎症を放置していると、気道リモデリングにより気道が狭くなった状態が続き、喘息がなかなか治らないことになってしまいます。

気道リモデリングを防ぐには

気道リモデリングは発作によって引き起こされるので、なるべく発作を起こさないようにすることが大事なことです。
そのため、アレルゲンの排除、きちんとした薬での治療が必要になります。

アレルゲンの排除とは、下記のことがあげられます。

  • たばこを吸うのをやめる。たばこの煙が漂っている環境を避ける。
  • ほこりっぽいところを避ける。部屋の掃除をする。
  • 壁の塗料などにアレルゲンがないか、検査をする。
  • 布団をはたくなどして、ダニ・ほこりを吸う量を減らす。
  • 急激な気温の変化を避ける。

薬の治療は、二種類の薬を併用して治療することが多いです。
一つ目の薬は、発作が起きないようにする薬。
もう一つの薬は、発作が生じたさいに鎮める薬です。

発作がおきないようにする薬(コントローラー)

発作が起きないようにする薬は、長期に使用する必要があります。別名をコントローラーと呼びます。
喘息患者さんは、発作が起きていないときでも気道が炎症を生じているため、その炎症を鎮めるための薬を毎日服用する必要があります。

薬の種類は下記のとおりです。

  • 吸入ステロイド薬
  • 長時間作用性吸入β2刺激薬
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬
  • テオフィリン徐放製剤
  • 抗IgE抗体

それぞれの効果と代表的な薬名を紹介します。

吸入ステロイド薬

ステロイド薬は炎症を鎮める効果がある薬です。
長期に使用することで、気道の炎症をだんだんとよくしていく効果があります。他の薬とくらべて、炎症を鎮める効果がはるかに高いです。
(ステロイドというと怖いとかいうイメージがつきものですが、効果が高くしっかりと用法用量通り使えば大丈夫です。)

ステロイドの作用を局所的なものに抑えるために、吸入での使用が一般に行われています。

代表的な薬として、下記があります。

  • フルチカゾン(商品名:フルタイド)
  • ブデソニド(商品名:パルミコート)
  • モメタゾン(商品名:アズマネックス)
  • ベクロメタゾン(商品名:キュバール)
  • シクレソニド(商品名:オルベスコ)

長時間作用性吸入β2刺激薬

β2刺激薬は、気道拡張性にすぐれています。
また、気道に分泌される量を抑えることで、気道のとおりをよくすることができる薬です。

長時間作用性のものと、短時間作用性のものがあり、短時間のものは発作時の治療薬として用いられています。

代表的な薬として、下記があります。

  • サルメテロール(商品名:セレベント)
  • ホルモテロール(商品名:オーキシス)

ステロイド+長時間作用性β2刺激薬

炎症を鎮める作用が強いステロイドと、気管支を拡張する能力が高いβ2刺激薬。
だったら、はじめから混ぜた薬を作っておけば、吸入する回数も減らすことができて、患者さんの負担軽減につながるのではないかという発想で生まれた薬です。

  • アドエア(ステロイド:フルチカゾン+B2刺激薬:サルメテロール)
  • シムビコート(ステロイド:ブテソニド+B2刺激薬:ホルモテロール)

ロイコトリエン受容体拮抗薬

ロイコトリエンは、アレルギー症状がでたときに放出されるサイトカインの一種です。
サイトカインは、体内における伝達物質のことを指します。

このロイコトリエンの放出を阻止したり、受容体にくっつくのを防ぐ薬が、喘息のコントローラーとして用いられています。

  • モンテルカスト(商品名:シングレア、キプレス)
  • クロモグリク酸(商品名:インタール)

テオフィリン徐放製剤

テオフィリンも、気管支を拡張する効果があり、コントローラーとして用いられています。

  • テオフィリン(商品名:テオドール、テオロング

抗IgE抗体

日本では、2009年から発売を開始した、新しめの薬です。
他の薬を用いてもなお、うまく喘息をコントロールできない患者さんに使用されます。

IgE抗体というなんだか聞きなれない物質をブロックする働きがあります。
IgE抗体は、アレルギー性の喘息において、そのアレルギー反応の一番最初の引き金をひく物質とされています。

アレルゲンとIgE抗体がくっつくことで、いろんなサイトカインの分泌が始まり、炎症に至るという流れです。
そのため、このIgE抗体をブロックしてしまえば、炎症を鎮めることができるだろうという考えで作られた薬になります。

  • オマリズマブ(商品名:ゾレア皮下注)

発作がおきたときに鎮める薬

発作が起きたときに使用する薬のことを、リリーバーといいます。
発作段階で大事なことは、狭くなってしまった気道をいち早く広げる作用を持つ薬を使用することです。

このような薬がつかわれています。

  • ステロイド薬(経口・静注)
  • 短時間作用性吸入β2刺激薬

ステロイド薬(経口・静注)

コントローラーの時は、ステロイドの作用を局所的に抑えたかったので、吸入薬が使われていましたが、発作時には経口もしくは静注が使用されます。
それもそもはず。発作のときは息苦しいので、そのような状況で吸入薬など使えるわけがないからです。

短時間作用性吸入β2刺激薬

発作のときには、いかに気道を早く広げることができるかがカギになります。
ですので、短時間で作用が強いβ2刺激薬が利用されます。

  • サルブタモール(商品名:サルタノール、ベネトリン)
  • プロカテロール(商品名:メプチン)

まとめ

喘息の患者さんは、いかに発作がおきないようにすることが大事ということがお分かりいただけましたでしょうか?
そのためには、アレルゲンの排除、コントローラを忘れずに服用することが大事になります。

喘息はきちんと治療すれば改善できる病気ですので、根気よく付き合っていきましょう。

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