はじめに
アプルウェイは、2型糖尿病の治療薬です。
有効成分は、トホグリフロジン。
SGLT2阻害作用により、血液中の糖分を積極的に尿中に排泄することで、血糖値を下げることができます。
今回は、アプルウェイについて、その効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
アプルウェイってどんな薬?
アプルウェイって何の病気に使えるの?
アプルウェイってどうやって効くの?
アプルウェイの一般的な使う量と回数
アプルウェイの副作用
アプルウェイで気を付けることは?
アプルウェイのジェネリック(GE)ってあるの?
アプルウェイの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する情報
アプルウェイってどんな薬?
アプルウェイは、有効成分トホグリフロジンのSGLT2阻害作用を有する糖尿病治療薬です。
日本では、2014年5月に販売が開始されました。
効能又は効果
2型糖尿病効能又は効果に関連する使用上の注意
1.本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないこと。
2.重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。
3.中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。
引用:アプルウェイ錠20mg 添付文書
アプルウェイって何の病気に使えるの?
2型糖尿病
2型糖尿病は、食生活や運動習慣、遺伝的な要素が関連して生じる、血糖値が高くなる病気です。
糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。
1型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌機能がほぼ完全に枯渇している病気です。
ほとんどが、子供のときに生じる自己免疫性の異常で、自分自身で膵臓のインスリン分泌細胞(ランゲルハンス島β細胞)を破壊してしまうことによって生じます。
大人になってから生じる場合もあります。
1型糖尿病は、生活習慣はまったく関係ありません。
対して、2型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌能力が低下している+糖分を消費する細胞(筋肉や肝臓など)のインスリン感受性が低下していることによって、血液中の糖分をうまく処理できずに、高血糖となっている状態です。
生活習慣が関わっているとされています。
そもそも、糖尿病はなにが問題なのでしょうか?
血液中の糖分は完全に悪いわけではありません。
脳の唯一のエネルギー源であったりなど、必要不可欠なものです。
ただ、その量が多いと、合併症が起こしてしまうことが問題となります。
3大合併症として、
- 糖尿病神経障害
- 糖尿病網膜症
- 糖尿病腎症
があります。
それぞれどういう病気なのか、簡単に説明していきますね。
糖尿病神経障害
手足の神経に異常が生じ、しびれ感や痛みを生じます。
だんだんと痛みを感じにくくなり、足を怪我していても気づかず、処置が遅れ、足の潰瘍や壊疽を引き起こし、最悪の場合、足を切断する必要が生じます。
糖尿病網膜症
高血糖により、目の網膜にある毛細血管が傷つき、次第に視力が奪われてしまう病気です。
最悪の場合、失明にいたります。
日本では、緑内障に続く、第二位の失明原因です。
糖尿病腎症
腎臓にある細い血管が傷つき、老廃物を除去するという腎臓の機能が低下してしまいます。
悪化すれば、透析治療が必要となります。
このような合併症がかなり重篤であり、なにも症状がでないからといって高血糖状態を放置しておくのはかなり危険といえます。
また、高血糖状態を放置していると、さらにインスリンが効きづらくなり、より一層高血糖となる悪循環が生まれます。
なので、早期発見して、血糖値コントロールすることが大事となります。
アプルウェイってどうやって効くの?
アプルウェイの有効成分トホグリフロジンは、SGLT2阻害作用を有しています。
SGLT2とは、sodium glucose co-transporter 2の略で、腎臓にあるナトリウム・グルコース共輸送体2のことをさします。
腎臓において、一度尿管側に入ってしまう糖分を、ナトリウムとともに再度血管方向に取り込む役割を果たしています。
糖分は大事な要素なので、無駄にすることなく利用するために、このような機構が人体には取り付けられています。
糖尿病患者さんでは、血液中の糖分が多いことが問題となっているので、このSGLT2を阻害することにより糖分を積極的に尿へと放出することで、血糖値を下げることができます。
アプルウェイの一般的な使う量と回数
用法及び用量
通常、成人にはトホグリフロジンとして20mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。
引用:アプルウェイ錠20mg 添付文書
アプルウエイは、1日1回朝食前か朝食後に服用する薬となります。
アプルウェイの副作用
アプルウェイに報告されている主な副作用として、下記があります。
- 腎臓関連(頻尿・尿路感染・尿量増加など)
- 消化器関連(便秘・空腹感)
- 精神神経系(めまい)
- 生殖器関連(性器感染)
- そのほか(血中ケトン増加・口の渇き)
糖分を積極的に排出するために、水が必要となります。
そのため、頻尿や尿量増加、脱水傾向になるので口の渇きが生じます。
また、糖分は細菌の栄養分となるため、細菌感染を起こしやすくなります。
そのほか、使用していて、違和感や体調悪化を感じたら、医師に相談するようにしてください。
アプルウェイで気を付けることは?
生活習慣の改善は継続的に
2型糖尿病の治療の根本は、生活習慣の改善です。
暴飲暴食を控え、運動を適宜行ってください。
薬を飲んでいるからOKというわけではありません。
飲み忘れないように
血糖値は適切にコントロールしないと、より一層高血糖を悪化させます。
飲み忘れないようにしてください。
水はしっかりのんで
糖分の尿中排泄には、水分が必要です。
尿路感染の可能性を低くするためにも、水分摂取を心がけるようにしてください。
(腎機能低下により、水分摂取に制限を言い渡されている場合には、どうすればよいか、医師に相談してください)
アプルウェイのジェネリック(GE)ってあるの?
アプルウェイには、まだジェネリックが販売されていません。
アプルウェイの市販薬(OTC)ってあるの?
血糖値コントロールは、医師の管理下で行われる必要があるので、OTCでの販売はされていません。
まとめ
アプルウェイは、SGLT2阻害作用をもつ、2型糖尿病の治療薬です。
有効成分はトホグリフロジンです。
積極的に糖分を尿中に排泄することで、血糖値を下げる効果をもたらします。
使用に際しては、医師の指示をよく守って使うようにしてください。
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