はじめに
最近、テレビで禁煙補助薬のCMをよく見ませんか?
今回は、禁煙補助薬のなかのひとつ、【チャンピックス】について、その効き目や用法用量を紹介していきます。
※他に、どんな禁煙補助薬があるのか気になる方はこちらをご覧ください、
禁煙に使う薬について紹介してみる
目次
チャンピックスとは?
チャンピックスの効果・効能
チャンピックスの用法・用量
チャンピックスの副作用
チャンピックスの薬価
まとめ
チャンピックスとは?
チャンピックスは禁煙をしたい方を補助する薬です。
ファイザーによって製造販売され、2008年5月8日から発売が開始されました。
有効成分は、バレニクリン酒石酸塩です。
禁煙補助は以前、保険適応外だったのですが、2006年4月1日から、一定の基準を満たす患者において保険適応が認められました。
基準は下記の通りです。
- 患者自らが禁煙を望むこと
- ニコチン依存症診断用のスクリーニングテスト (TDS) を行い5点以上の診断された者
- 喫煙年数と1日の喫煙本数を掛けた値が200以上であること
- 治療方法に関しての文章を読み、治療に関する承諾書を記述すること
引用:禁煙外来-ウィキペディア
チャンピックスの効果・効能
チャンピックスは、禁煙に伴うニコチン離脱症状(イライラ、落ち着かない、頭痛、体がだるい)といった症状を和らげるとともに、たばこを吸いたい!という気持ちも抑える効果があります。
また、禁煙期間中に仮にたばこを吸ってしまったとしても、満足感を得にくくし、たばこに対する切望感を軽減します。
どうしてこのような効果を得ることができるのでしょうか?
それは、有効成分のバレニクリンがニコチン性アセチルコリン受容体に対する部分作動薬だからです。
順を追って説明します。
まず、そもそも、たばこによるニコチン依存症はどのように形成されるのでしょうか?
たばこに含まれるニコチンは、肺から吸収され、脳内に分布するα4β2ニコチン受容体に結合します。
すると、脳内でドパミンという脳内神経伝達物質の分泌が促され満足感を感じるようになります。
ところが、あるときから、脳は勘違いをしてしまうのですね。
たばこによる引き金があるから、いつもは活動を控えめでいいかなーと。
なので、たばこを吸わないと脳の活動レベルが落ち、無気力にあったり集中力が続かなかったり、様々な現象を招いてしまうので、次のたばこを摂取したいという気持ちが芽生え、ニコチン依存症になってしまうとされています。
さて、元に戻ってバレニクリンはこのようなニコチン依存症にどのような効果を発揮するのでしょうか。
まず一つ目の作用は、ニコチン受容体を刺激する作用です。
たばこに含まれるニコチンの変わりの効果を発揮して、急速なニコチン切れによるたばこの切望感を軽減します。
もちろんですが、たばこを普通に吸った時よりもニコチンとしての量は少なめです。
もう一つの作用が、過量なニコチンが体内に入ってきたときに、ニコチン受容体に結合させないという効果があります。
チャンピックス服用中に、たばこを吸ったとしても、たばこのニコチンと受容体を結合させず、満足感を生み出させなくする働きがあります。
不思議なもので、この状態になると、たばこを吸ってもあまりおいしく感じなくなるとのことです。
そうして、次第にたばこに対する切望感も軽減されるとともに、脳内はたばこがなくても通常の活動レベルに次第に戻っていくことで、晴れて禁煙を達成できるという作戦です。
このように、受容体をちょっとだけ刺激しながら、一方で過量の元からある受容体と結合する物質(この場合はニコチン)存在下では、受容体と結合させるのをブロックさせる。
この2つの効果を併せ持った物質のことを部分作動薬と呼びます。
まとめると、チャンピックスの有効成分であるバレニクリンが、ニコチン受容体に対する部分作動薬なので、
ニコチン受容体を刺激することである程度の満足感を得つつ、たばこによるニコチンからは受容体をブロックさせることで、たばこをおいしく感じさせなくするといえます。
チャンピックスの用法・用量
12週間の禁煙期間を設けて、禁煙にチャレンジします。
まず、禁煙を始める日の1週間前から、服用を開始します。
1日目~3日目は、0.5mgを1日1回食後に服用します。
4日目~7日目は、0.5mgを1日2回朝、夕食後に服用します。
その後、8日目以降は、1mgを1日2回朝、夕食後に服用していきます。
最大、12週間の投与期間となります。
※12週間の禁煙治療中に禁煙に成功した人のうち、より確実に禁煙をしたほうがよいと医師が判断した場合は、もう12週間投与を延長することがあります。
どうして、このようにだんだんと量を増やしていく飲み方をするかというと、副作用である吐き気の発生率を低下することができると研究で分かったためです。
チャンピックスの副作用
チャンピックスの副作用は、試験期間中の66.6%の患者さんに生じたとのことです。
その内訳は、吐き気が28.5%、不眠症が16.3%、異常な夢が13.0%、頭痛が11.6%、鼓腸(おなかの張り)が8.3%とのことでした。
これらの副作用が生じたケースでは、必要に応じて、減量や投与中止を行ったとのことです。
副作用というとなんだか怖いですが、その程度は人によりますので、チャレンジせずに副作用があるから怖いだけで逃げてしまうのは、ちょっともったいないかなと思います。
このあたりは、医師とよく相談して決めると良いでしょう。
個人的には、異常な夢というのがどういう状態なのかが気になるところです笑
チャンピックスの薬価
チャンピックスの薬価は下記のとおりです。
チャンピックス錠0.5mg 136.40円/1錠
チャンピックス錠1mg 244.20円/1錠
単純に薬価だけ考えると、
始めの4週目までが、約11,757円
4~8週目と9~12週目が、それぞれ約13,675円くらいかかります。
保険3割負担だとして、チャンピックスの薬代金だけで、約12,000円くらいです。
そのほかにも、病院の受診料や、薬局の基本料金がかかるので、全体的には高くなって、だいたい20,000円くらいとなるようです。
たばこ代金よりも安いかもしれませんねー。
まとめ
このような禁煙補助薬の手法が確立されるまでは、単純に吸わないという固い意志を持ち続けるということが、禁煙の手法でしたが、このような薬が生まれたことによって、やめたくてもやめれない人がだいぶ減ったのではないかと思います。
禁煙にチャレンジしてみたい方はぜひお近くの禁煙外来を受診することをお勧めします。
早めの禁煙が大事です!
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