はじめに
ファンギゾンシロップは抗真菌薬です。
主に、口腔や食道のカンジダ繁殖の治療に用いられます。
今回は、ファンギゾンシロップについて、その効果効能、副作用や注意点について紹介していきます。
目次
ファンギゾンシロップってどんな薬?
ファンギゾンシロップってどうやって効くの?
ファンギゾンシロップの用法・用量
ファンギゾンシロップの副作用
ファンギゾンシロップの注意点
まとめ
ファンギゾンシロップってどんな薬?
ファンギゾンシロップは、ポリエンマクロライド系抗真菌性抗生物質に属する薬です。
有効成分は、アムホテリシンBです。
日本では1975年12月に販売が開始されました。
効能又は効果
消化管におけるカンジダ異常増殖使用上の注意
重要な基本的注意
本剤は,消化管からほとんど吸収されないため全身性の真菌感染症に対しては無効である。
引用:ファンギゾンシロップ 添付文書
ファンギゾンシロップは、消化管におけるカンジダ異常増殖、つまり真菌性の感染症に用いられます。
高齢による免疫力が低下してたり、体力が衰えてたりすると、消化管が真菌に侵されることがあります。
その治療に用いられます。
また、ファンギゾンシロップのよいところは、消化管から血中への移行がほぼないため、全身の副作用が発現しにくいという点があります。
ファンギゾンシロップってどうやって効くの?
ファンギゾンシロップの有効成分アムホテリシンBは、ポリエンマクロライド系抗真菌薬に分類されます。
ポリエンマクロライド系抗真菌薬は、真菌の膜表面の成分である【エルゴステロール】と結合した後、膜に穴をあけて、細胞内の成分を外に漏らさせ、真菌の生命活動を停止させることができる薬です。
なにそれ危ないじゃんと思われるかもしれませんが、人間の細胞の膜表面には【エルゴステロール】がないので、人間の細胞は障害せずに、真菌のみを狙い撃ちすることができます。
ファンギゾンシロップの用法・用量
用法及び用量
通常小児に対し1回0.5~1mL〔アムホテリシンBとして50~100mg(力価)〕を1日2~4回食後経口投与する。
引用:ファンギゾンシロップ 添付文書
症状や年齢によって、使用量を変更する薬なので、医師の指示どおり服用してください。
また、小児に対してと記載されていますが、大人に対してもだいたい同じ量で用いられます。
基本的にファンギゾンシロップは、24mLの瓶で提供されることが多く、こちらにはスポイト付属の蓋がセットでついてきます。
なので、スポイトで指示どおりの量をとって、口のなかにたらしましょう。
とろみが強い薬なので、一度だけ押し出しても薬がスポイトに残ることがあります。
なので、複数回押し出して、一回量をすべて服用するようにしてください。
また、懸濁性の薬なので、使用前にふってから用いるようにしましょう。
ファンギゾンシロップの副作用
消化管からほぼ吸収されないので、全身性の副作用のリスクはほぼありません。
報告されている主な副作用は、食欲不振・悪心・腹部膨満感・下痢・嘔吐などの消化管症状が報告されています。
服用していて、耐え難い消化管症状が起こるようであれば、医師に相談するようにしましょう。
その他、発疹や蕁麻疹などの症状がでることもあるので、服用して違和感や症状悪化がみられるようであれば、医師に相談するようにしましょう。
ファンギゾンシロップの注意点
ファンギゾンシロップは、一定期間しっかりと服用することで効果を発揮する薬です。
なので、忘れずに服用するようにしましょう。
口腔内カンジダの場合は、すぐに飲み込むのではなくて、舌で患部に広くゆきわたらせて、できるだけ長く含んだ後にのみこみましょう。
消化管から吸収されて、血中から全身的に効果を発揮するわけではないので、口の中の真菌感染には、飲み込んだら効果が発揮されなくなります。
まとめ
ファンギゾンシロップは、消化管のカンジダ異常増殖、真菌感染に用いられます。
ほぼ消化管から吸収されないので、全身的な副作用は発現しにくくなっています。
主な副作用として、下痢・悪心といった消化管症状がみられます。
おそらく、スポイトがくっついてくるので、1回量をはかりとって服用するようにしましょう。
粘性があるので、スポイトにのこりがちなので、しっかり1回量は服用するようにしてください。
服用に際しては医師の指示どおりに服用するようにしましょう。
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