はじめに
単純疱疹・帯状疱疹の治療薬として用いられるファムビル。
どのような効果効能があるのかについて説明します!
目次
ファムビルってどんな薬?
ファムビルの効果・効能
ファムビルの用法・用量
ファムビルの副作用・注意点
まとめ
ファムビルってどんな薬?
ファムビルはマルホ株式会社が販売する抗ヘルペスウイルス剤で、有効成分名はファムシクロビルです。日本では、2008年7月に販売が開始された薬です。
単純疱疹や帯状疱疹に効果がある薬です。
単純疱疹には、口唇ヘルペスや顔面ヘルペスなどがあります。
実はこれらの病気は、ヘルペスウイルス科に属するウイルスが原因となります。
ヘルペスウイルスは面白い特徴があり、一度感染すると、体内の神経節に残り続け、人の免疫力の低下(老化・体力の衰え・ストレスなど)により活性化し、体表面に移動しピリピリとした痛み・発疹・発赤を引き起こします。
ファムビルは、ヘルペスウイルスの増殖を抑えて、症状の緩和・早期回復の効果があります。
ファムビルの効果・効能
効能又は効果/用法及び用量
単純疱疹
帯状疱疹
引用:ファムビル錠 添付文書
ファムビルは、単純疱疹・帯状疱疹に効果がある薬です。
原因となるヘルペスウイルスのウイルスDNAポリメラーゼ阻害作用を有するために効果があります。
ウイルスDNAポリメラーゼ阻害とは、簡単に言えばウイルスが自分のDNAを複製するときに必要な酵素をブロックするという意味です。
もちろんウイルスのDNAポリメラーゼのみ有効で、人間のDNAポリメラーゼはブロックしません。
ファムビルの用法・用量
用法及び用量
単純疱疹
通常、成人にはファムシクロビルとして1回250mgを1日3回経口投与する。
帯状疱疹
通常、成人にはファムシクロビルとして1回500mgを1日3回経口投与する。
引用:ファムビル錠 添付文書
ファムビルは、1日3回(基本は毎食後)に服用する薬です。
抗ウイルス剤は、常に有効成分が体内にないと増殖を食い止められないので、できるかぎり飲み忘れなく服用を続けたほうが早く治るかと思います。
腎機能障害患者
腎機能障害のある患者では投与間隔をあけて減量することが望ましい。
引用:ファムビル錠 添付文書
ファムビル錠は、腎臓から排泄されるため、腎臓の機能が弱っている患者さんでは減量や投与間隔を延長するなどして調節をしなくてはいけません。
余談ですが、新しく発売するアメナリーフは腎臓ではなく、糞として排泄されることから、投与間隔・減量の必要がありません。
ファムビルの副作用・注意点
重要な基本的注意
1.
本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始すること。なお、目安として、帯状疱疹の治療においては皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
2.
本剤は、原則として単純疱疹の治療においては5日間、また、帯状疱疹の治療においては7日間使用すること。改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、速やかに他の治療に切り替えること。
引用:ファムビル錠 添付文書
単純疱疹・帯状疱疹は、ウイルスが増殖することによって病気が生じます。
治療において大事なポイントは、ウイルスが増殖しきるまえに、抗ウイルス薬を服用して治療を開始するということです。
抗ウイルス剤は、ウイルスそのものを殺せるわけではなく、その増殖を抑える効果を持つので、増殖しきったウイルスを殺すことはできません。
少しでも違和感があれば、はやめに皮膚科受診して治療を開始するようにこころがけてください。
その主なものは、頭痛8 例(1.1%)、ALT(GPT)増加 7 例(1.0%)、傾眠 7 例(1.0%)、CK(CPK)増加 5 例(0.7%)、下痢 5 例(0.7%)等であった。
・・・
その主なものは、ALT(GPT)増加 17 例(2.8%)、AST(GOT)増加 12 例(2.0%)、CK(CPK)増加 9 例(1.5%)、頭痛 7 例(1.2%)等であった。
引用:ファムビル錠 添付文書
国内の臨床試験の結果、頭痛、傾眠、下痢といった副作用が生じる可能性があります。
ショックやアナフィラキシーを生じる方も極稀にあるので、服用を開始して体調悪化があれば、すぐに医師に相談するようにしましょう。
まとめ
ファムビルは、ヘルペスウイルス科のウイルスが増殖して生じる単純疱疹(口唇ヘルペス、顔面ヘルペス)・帯状疱疹に効果がある薬です。
基本的には1日3回服用することで効果を発揮する薬ですが、腎臓が弱っている方(高齢者など)には、量を少なめに・投与間隔を空けて服用することがあります。
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