多くの方が一度は飲んだことがある医薬品ですが、世の中に出てくるまでにどのような道をたどってくるのかについて、今回は書いていきたいと思います。
薬が世に出るまでの流れ
医薬品が世に出るまでには、大きく分けて4つのフェーズがあります。
スクリーニングフェーズ、非臨床試験フェーズ、臨床試験フェーズ、製造販売後調査フェーズの4つです。
スクリーニングフェーズでは、新しく薬になりそうな化合物を、細胞・動物実験等を用いて大まかに絞り込みをします。
ただ闇雲に動物実験を行うのではなくて、構造や物性を調べこの化合物は効果があるだろうと大まかな予想を立てて行います。
次の、非臨床試験フェーズでは、より詳細な作用を調べるために動物実験等を用いて試験を行います。化合物の体内での動態、薬理的な作用、毒性があるかどうか等、多岐にわたる試験を行います。
この非臨床試験フェーズが終了して、問題がなければ、治験届が提出されその後臨床試験フェーズに入ります。
臨床試験フェーズは通称治験とも呼ばれ、人を対象とした試験を行います。
人を対象とした試験なので、厳格なルールの元で試験が行われます。
この、試験により集められたデータを用いて、承認申請を行い、審査を通過し無事に承認が下りるとやっと販売され、世の中に出回る事になります。
医薬品は発売したら、それでおしまい!という事ではありません。
販売後、様々な患者さんに使われてそこでの効果や副作用をずっと調べ続ける必要があります。それが、製造販売後調査フェーズです。
薬が世に出るまでのコスト
薬が発売されるまでには、候補となる化合物が見つかってからおよそ、10~20年かかり、またその費用は約500億円程度かかると言われています。
このように、医薬品の開発には莫大なコストがかかります。
また、数万の候補化合物の中から1つ程度しか新薬は生み出されないので、医薬品を開発するのは大変難しくコストもかかることが分かります。
臨床試験(治験)について
医薬品の開発においては、まず動物や細胞を用いて、薬効・副作用・毒性の研究がなされます。
ですが、それだけのデータだけで広く世の中に医薬品として販売されるのは、かなりの危険性があります。
まず、動物と人間では、持っている酵素の形が違うことをはじめとして、様々な違いがあります。
なので、動物では毒性が無くても、人間では毒性が出てしまうことがあります。
そこで、臨床試験(治験)が必要となります。
少人数の人間に少量から用いてみて、その危険性を判断していきます。
まとめ
医薬品が販売されるまでの流れを説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
あの小さな一粒を作り出すのに、かなりの時間とお金がかかっていることが伝えられればと思います。
その一方で、現代の医療の力を持っても治すことができない病というのがまだ存在しています。
それを治すことが出来る薬の開発が期待されています。
治すことが出来ない病気がなくなる世界が早く訪れてほしいです!!
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