はじめに
ムコソルバンは去痰作用をもつ薬です。
有効成分はアンブロキソール。
日本では、様々な剤形タイプが販売されています。
錠15mg・内用液・ドライシロップ・小児用シロップ・小児用ドライシロップ・Lカプセル・L錠の剤形タイプです。
それぞれ、年齢や症状、服用できるかどうかに合わせて選択されます。
今回は、ムコソルバンの効果効能、副作用や注意点について紹介していきます。
目次
ムコソルバンってどんな薬?
ムコソルバンって何の病気に使えるの?
ムコソルバンってどうやって効くの?
ムコソルバンの一般的な使う量と回数
ムコソルバンの副作用
ムコソルバンで気を付けることは?
ムコソルバンのジェネリック(GE)ってあるの?
ムコソルバンの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する薬
ムコソルバンってどんな薬?
ムコソルバンは、痰を切ったり、慢性副鼻腔炎の膿を出すのに用いる、気道潤滑去痰剤です。
日本では、錠15mgが1984年3月、内用液0.75%が1988年6月、ドライシロップ3%が2004年12月、小児用シロップ0.3%が1989年11月、小児用ドライシロップ1.5%が2000年7月、Lカプセル45mgが1996年11月、L錠45mgが2015年7月に販売開始されました。
効能又は効果
1. 下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難
2. 慢性副鼻腔炎の排膿
引用:ムコソルバン 添付文書
ムコソルバンって何の病気に使えるの?
ムコソルバンは、様々な病気における、「痰のからみ」を解消してくれる薬です。
使うことができる病気の一部を解説していきます。
気管支喘息
気管支喘息は、気道の炎症によって、気道が狭くなってしまうことに生じる病気です。
アレルギー反応が過敏な状態になっていることが多く、タバコ・ホコリ・ストレスなどが刺激となり発症します。
痰が絡むことでより一層気道が狭まってしまうので、痰が排出しやすくさせ、溜め込まないようにすることが必要となります。
塵肺症
粉塵や微粒子を長期間にわたって吸い続けたことで、肺の組織にそれらが溜まってしまい、炎症・組織増殖を引き起こし、呼吸機能が低下してしまう病気です。
呼吸機能が低下しているので、痰がつまると呼吸困難の可能性が高くなるので、痰を排出しやすくする必要があります。
慢性副鼻腔炎
慢性副鼻腔炎とは、蓄膿症ともよばれ、鼻の周りにある骨の空洞が炎症を起こし、膿が溜まってしまう病気です。
花粉やダニといったアレルギーを引き起こす物質が原因となったり、細菌やウイルス感染が原因となったりします。
ムコソルバンってどうやって効くの?
作用部位・作用機序
<気管・気管支領域>
作用部位:気道・気管支粘膜細胞、肺胞Ⅱ型細胞
作用機序:
1)サーファクタント(肺表面活性物質)分泌促進作用
2)気道液の分泌促進作用
3)線毛運動亢進作用
これらが総合的に作用して喀痰喀出効果を示すものと考えられる。この際、表面活性物質の役割としては線毛の存在しない肺胞や呼吸細気管支を含め気道中の粘性物質を排出しやすくするものと考えられている。<副鼻腔領域>
作用部位:副鼻腔粘膜細胞
作用機序:
1)病的副鼻腔粘液分泌の正常化作用
2)線毛運動亢進作用
これらが総合的に作用して慢性副鼻腔炎の排膿を促進するものと考えられている
引用:ムコソルバン インタビューフォーム
ムコソルバンの有効成分アンブロキソールは、サーファクタント(肺表面活性物質)分泌促進作用、気道液の分泌促進作用、線毛運動亢進作用の3つの作用を通して、痰を排出しやすくすると考えられています。
サーファクタントとは、肺胞(肺の末端にある球状の部位、空気交換の場所)がつぶれないようにする物質です。
線毛とは、肺から気管支・気管にかけて、空気の通りみちの表面にある毛状の組織です。異物や痰を外に追い出そうとする動きをしています。
ムコソルバンの一般的な使う量と回数
用法及び用量
《錠》
通常、成人には1回1錠(アンブロキソール塩酸塩として15.0mg)を1日3回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
《内用液》
通常、成人には1回2mL(アンブロキソール塩酸塩として15.0mg)を1日3回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
《DS3%》
通常、成人には1回0.5g(アンブロキソール塩酸塩として15.0mg)を1日3回用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
《小児用シロップ》
通常、幼・小児に1日0.3mL/kg(アンブロキソール塩酸塩として0.9mg/kg)を3回に分けて経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
《小児用DS1.5%》
通常、幼・小児に1日0.06g/kg(アンブロキソール塩酸塩として0.9mg/kg)を3回に分け、用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
《 Lカプセル》
通常、成人には1回1カプセル(アンブロキソール塩酸塩として45mg)を1日1回経口投与する。
《L錠》
通常、成人には1回1錠(アンブロキソール塩酸塩として45mg)を1日1回経口投与する。
引用:ムコソルバン インタビューフォーム
ムコソルバンは、大人に対して通常アンブロキソール塩酸塩として15mgを1日3回服用します。
子供に対しては、体重に応じて量を調節して用います。
Lカプセル及びL錠については、1日1回アンブロキソール塩酸塩として45mgを服用します。
年齢や症状によって、量や回数を調節する可能性があるので、医師の指示通りに服用するようにしてください。
ムコソルバンの副作用
ムコソルバンの主に報告されている副作用として、胃部不快感や吐き気が生じる可能性があります。
確率としては、1%未満であり、副作用がでにくい薬と言えます。
服用していて、体調悪化や症状悪化、体の違和感を感じたら、医師に相談するようにしてください。
ムコソルバンで気を付けることは?
Lカプセル及びL錠は、砕くのはNG
Lカプセル及びL錠は、徐々に溶けて有効成分が少しづつ体内に入るように製剤工夫がされています。
そのため、噛み砕いたりして服用すると、この機能が壊れ、思わぬ副作用がでてしまう可能性があるので、噛み砕かないでください。
錠剤・カプセルが飲めない方は、医師に予め申し出ておきましょう。
ムコソルバンのジェネリック(GE)ってあるの?
ムコソルバンはすでにジェネリックが販売されています。
希望する方は薬局にて申し出てください。
ムコソルバンの市販薬(OTC)ってあるの?
ムコソルバンの有効成分アンブロキソールはOTCにも使用してよい薬となっているのですが、アンブロキソール単体の薬は今のところないようです。
総合風邪薬として、OTCに利用されています。
まとめ
ムコソルバンは有効成分アンブロキソールの去痰・慢性副鼻腔炎の排膿に用いられる薬です。
痰を排出しやすくように、肺の環境を整える作用を持ちます。
また、慢性副鼻腔炎の膿を外に出す作用を持ちます。
使用に際しては、医師の指示に従って服用するようにしてください。
関連する薬
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。