はじめに
セルベックスは、有効成分テプレノンの胃炎・胃潰瘍治療薬です。
胃薬としては、広く使われている薬なので、一度は使ったことある方が多いのではないでしょうか?
単純に胃がむかつく、痛みがあるときに用いられたり、ロキソニンをはじめとするNSAIDs系の鎮痛薬の胃へのダメージを予防する目的で一緒に服用したりします。
今回は、セルベックスの効果効能、副作用・注意点について紹介して行きたいと思います。
目次
セルベックスってどんな薬?
セルベックスってどうやって効くの?
セルベックスの用法・用量
セルベックスの副作用
セルベックスの注意点
セルベックスに似た薬はドラッグストアで買えない?
まとめ
セルベックスってどんな薬?
セルベックスは、有効成分テプレノンの胃炎・胃潰瘍治療薬です。
カプセルと細粒の製剤が日本では販売されています。どちらも、1984年12月に販売が開始されました。
【効能・効果】
○下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)
の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期
○胃潰瘍
引用:セルベックス 添付文書
セルベックスは、胃粘膜保護作用により、胃炎を解消する薬です。
潰瘍状態になってしまった場合でも、その潰瘍を保護し、治癒させる効果があります。
余談ですが、NSAIDs系鎮痛薬から胃を守るためという効果効能がありませんよね。
基本的に保険医療の考え方は、予防という観点では薬を用いらないという原則があります。
なので、インフルエンザワクチンをはじめとしたワクチンって、自費ですよね。(子供の場合は、市区町村から助成金がでることもあるけど。)
なので、ロキソニンなどのNSAIDs系鎮痛薬との併用でセルベックスがでるのは、厳密にいえばNGなのですが、まあ、たぶん効果があるだろうし、安全性や値段の観点から、見逃してやっかということで、保険者(保険給付する機関)が今のところスルーしている状態です。ホワイトよりのグレーゾーンってところです。
急に締め付けが厳しくなれば、NGとされても文句は言えないよねという状況です。
セルベックスってどうやって効くの?
セルベックスの有効成分テプレノンは、胃粘膜保護作用を有します。
そもそも、なんで胃潰瘍や胃炎が生じるのかに触れておきます。
胃が炎症を引き起こすのは、実は胃酸が原因なのです。
通常、強力な酸である胃酸から、胃自身を守るために胃表面には粘膜を展開して防御しています。
そのほかにも、攻撃因子として、ヘリコバクター・ピロリ菌が産生する毒素も挙げられます。
一方、防御因子としては胃粘膜があります。
この攻撃因子と防御因子がちょうどよいバランスを保っているときは、胃炎・胃潰瘍は起きないのですが、バランスが崩れると攻撃側が強くなり、炎症が生じてしまいます。
食生活、ストレス、高齢・薬など様々な要因によって、防御因子が少なくなってしまうと考えられています。
さて、セルベックスはどういった効果をもたらすかというと、防御因子の増強です。
胃粘液を増加させる効果があるため、胃粘膜の産生と保護作用、炎症・潰瘍部位の欠損部位の治癒促進作用をもちます。
セルベックスの用法・用量
【用法・用量】
カプセル50mg: 通常成人、3カプセル(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。細粒 10%: 通常成人、細粒1.5g(テプレノンとして150mg)を1日3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
引用:セルベックス 添付文書
セルベックス、細粒ともに1日3回食後に服用します。
症状の程度や年齢に応じて、量と回数は調節されるので、医師の指示どおり使用するようにしましょう。
ロキソニンなどのNSAIDsの鎮痛剤に胃の炎症を引き起こす副作用があるので、それを予防するために一緒に服用することが多い印象です。
もちろん、セルベックス単体でも用いられます!
セルベックスの副作用
セルベックスの副作用として報告されているのは、ASTやALTといった肝機能検査値の上昇、便秘や下痢といった消化器症状、頭痛、発疹・そう痒感などです。
副作用の発現頻度は低く、比較的安全な薬と言えます。
また、かなり多くの方がすでに服用したことがあるので、安心して使うことができる薬です。
セルベックスの注意点
セルベックスの注意点としては、あまりないのですが、強いて挙げるなら高齢者の方には注意が少しだけ必要なことがあります。
高齢者は生理機能が低下しているので、テプレノンの代謝がうまく行われず、薬が効きすぎてしまう可能性があるため、投与量の調整が必要な場合がある点です。
ですが、医師が考慮して処方してくれるので、服用するときは、医師の指示に従って服用すればよいかと思います。
セルベックスに似た薬はドラッグストアで買えない?
セルベックスに似た薬は、処方せんなしでドラッグストアで買えないのでしょうか。
まったく同じ成分の薬はないのですが、テプレノンを主成分として、そのほか漢方成分を配合した薬なら、OTCとして販売されています。
まとめ
セルベックスは、胃炎・胃潰瘍の治療薬として用いられる薬です。
有効成分はテプレノンで、防御因子を増強する作用を持ちます。
具体的には、胃粘液増加作用及び、胃粘膜保護作用です。
医師の指示どおり服用するようにしましょう!
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