病原体の種類によって、感染の仕方はいくつかに分類することができます。この分類を用いて医療現場で用いられている感染経路別予防策というのを紹介したいと思います。
感染経路別予防策とは?
感染経路別予防策とは、病原体を感染経路ごとに分類して、それぞれに適した予防法を行うという考え方です。代表的な感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染です。では、それぞれの感染経路別に予防策を紹介していきましょう!
空気感染
空気感染は、別名飛沫核感染ともいい、病原体を含んだ5μm以下の微粒子を吸い込むことで感染します。代表的な例として、麻疹・水痘・結核があります。空気中に漂ってしまうので、強毒性な病原体の場合、患者さんを部屋を陰圧に保った病室に隔離することが感染を広めないために重要となります。
予防法として、基本的に免疫を持っていない人は、接触しないほうが良いでしょう。医療従事者もN95マスクのような高性能なマスクを使用して、患者さんに接します。
飛沫感染
飛沫感染は、咳やくしゃみによって飛んだ飛沫を吸い込んでしまうことで感染します。代表的な例として、インフルエンザ・風疹・百日咳があります。おおよそ2m圏内で感染が成立するとされています。
予防法は、感染している人がマスクをすることです。マスクをすることで、飛沫が広範囲に広がることを防ぎ、他の人への感染を抑えることが出来るでしょう。
接触感染
接触感染は、手指や器具等に付着した病原体を、経口摂取や傷口接触などしてしまうことで感染してしまいます。代表的な例として、ノロウイルス・緑膿菌感染症・疥癬があります。インフルエンザは接触感染経路によっても伝播すると考えられます。ドアノブなどの多くの人が触る場所を介して感染が広がる危険性があります。手指に付着してしまった病原体を、食事の際に摂取してしまうことで感染してしまいます。
予防法は、こまめな手洗いと人が多く触れる場所を消毒することです。特に、食事前は必ず手を石鹸を使って洗うようにすると良いでしょう。
その他の感染経路
その他の感染経路として次のような経路があります。
- 母子感染(HIV,B型肝炎など)
- 唾液感染(虫歯菌など)
- 血液感染(HIV,B型肝炎,C型肝炎など)
- ベクター(蚊とかダニとか)感染(日本脳炎,マラリア,パラチフス,赤痢,コレラなど)
感染経路別予防策の考えを用いて、インフルエンザを予防してみる
まず知っておいて欲しいのは、インフルエンザは、飛沫感染・接触感染によって伝播する感染症ということです。
このケースでは、職場や学校でインフルエンザが流行りだしてきたという状況のお話をします。
まず、この状況で大事なのは咳をしている人は全員マスクをすることが大事です。そして可能であれば病院へ行き、インフルエンザかどうかを早期にチェックしたいところですね。(ですが、インフルエンザに感染してから24時間程度経過しないと、陽性にならないので早すぎるのもダメですね。。。難しいです。)
そして、同じ職場や学校という環境でインフルエンザ感染者がいた場合、それ以上の伝播を防ぐために、ドアノブや蛇口などの多くの人が触る場所を、80%エタノールを用いて消毒すると良いでしょう。インフルエンザウイルスは80%エタノールで死滅するので、接触感染を防止することが出来ます。
そして、食事をする前には必ず石鹸を用いて手を洗うようにしましょう。手についたインフルエンザウイルスを食事中に摂取してしまうと、感染してしまうので、洗い流してしまいましょう!さらに80%エタノールで消毒すると良いのですが、手荒れする場合もあるので、体質に合わせて使うと良いでしょう。
なので、職場にはインフルエンザの季節、マスクと80%エタノールを常備しておくと良いのではないでしょうか。
まとめ
病原体は、種類によって感染経路が異なります。流行っている病原体の感染経路について正しい知識を身に着けることで、感染を食い止めることが出来るのではないでしょうか。
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