【ダイアモックス(アセタゾラミド)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

ダイアモックスは、炭酸脱水酵素阻害薬に分類される薬で、緑内障・てんかん・肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善・心性浮腫・肝性浮腫・月経前緊張症・メニエル病及びメニエル症候群・睡眠時無呼吸症候群など幅広い病気に効果があります。
今回はダイアモックスについて、紹介していきたいと思います。

目次

ダイアモックスってどんな薬?
ダイアモックスってどうやって効くの?
ダイアモックスの用法・用量
ダイアモックスの副作用
ダイアモックスの注意点
まとめ

ダイアモックスってどんな薬?

ダイアモックスは有効成分アセタゾラミドで、炭酸脱水酵素の機能を止めることで様々な作用をもたらす薬です。
ダイアモックス錠は1955年3月に、ダイアモックス末は1958年8月に販売が開始されました。

ダイアモックスは、下記の病気・症状に対して使用されます。

  • 緑内障
  • てんかん
  • 肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善
  • 心性浮腫
  • 肝性浮腫
  • 月経前緊張症
  • メニエル病及びメニエル症候群
  • 睡眠時無呼吸症候群

ダイアモックスってどうやって効くの?

ダイアモックスの有効成分アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素の機能を抑えることができます。
炭酸脱水酵素は、さまざまな組織に存在しているので、それぞれの部位ごとにどうやって作用を発揮しているのか、説明していきたいと思います。

目はその球体維持のために中身が液体でみたされています。
房水と呼ばれるその液体は、炭酸脱水酵素によって作り出されます。

房水は大事な液体なのですが、排水がうまくいかなかったりすると、過剰に房水が溜まり、眼圧があがることがあります。
この状態が緑内障で、過剰な眼圧により目の神経が傷つき、ほうっておくと最悪失明する病気です。

アセタゾラミドは、炭水脱水酵素を阻害することにより、房水の生産量を少なくさせ、眼圧を抑える効果があります。

中枢神経組織においても炭酸脱水酵素が存在し、二酸化炭素濃度をコントロールしています。
アセタゾラミドは、炭酸脱水酵素を抑制することで、脳の二酸化炭素濃度を局所的に増大させることで、脳の興奮を抑制し、てんかん発作に効果があるとされています。

特に、小児の小発作に効果があり、他にも成人・小児の大発作、頓挫性発作、発作重積状態、ミオクローヌス小発作及び混合型発作にも効果があるとされています。

アセタゾラミドが炭酸脱水酵素を抑制することで、代謝性アシドーシスを誘発し、Hイオンが血中にふえます。
すると、呼吸中枢に刺激が与えられ、喚起量が増大することで、血中の酸素量が増加するので、呼吸性アシドーシス・無呼吸による睡眠中の低酸素状態が改善されます。
また、呼吸の感受性が維持されることで、無呼吸の回数も減少することがわかっています。

腎臓

アセタゾラミドが腎臓にある炭酸脱水酵素の働きを抑制することで、NaとHCO3を尿から回収するシステムが抑制されます。
すると、NaとHCO3を尿から回収するときに、一緒に水分も回収するのですが、そのシステムも抑えられるため、尿の水分量が増えます。

つまり、利尿作用を発揮するということです。

そのほか

月経前緊張症の緩解は、体内貯留水分の排泄、神経系に対する抑制作用によって、効果が発揮されます。
メニエル症候群の改善は、内耳の局所的リンパ分泌抑制作用、利尿による内耳水腫の除去、中枢神経系に対する抑制作用などが総合的に作用することで、効果発揮するとされています。

ダイアモックスの用法・用量

効能又は効果

緑内障

通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250~1000mgを分割経口投与する。

てんかん(他の抗てんかん薬で効果不十分な場合に付加)

通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250~750mgを分割経口投与する。

肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善・心性浮腫・肝性浮腫

通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250~500mgを経口投与する。

月経前緊張症

通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回125~375mgを月経前5~10 日間又は症状が発現した日から経口投与する。

メニエル病及びメニエル症候群

通常、成人にはアセタゾラミドとして1日1回250~750mgを経口投与する。

睡眠時無呼吸症候群(錠剤のみの適応)

通常、成人にはアセタゾラミドとして1日250~500mgを分割経口投与する。

なお、いずれの場合も、年齢、症状により適宜増減する。
参考:ダイアモックス 添付文書

病気に合わせて、それぞれ使う量と回数が異なります。
また、年齢や症状によって使う量、回数を調整します。

ダイアモックスの副作用

報告されている主な副作用は、四肢知覚異常、頻尿・多尿です。

可能性は低いですが、注意したい副作用として、代謝性アシドーシスがあります。
過剰に血液が酸性に傾いてしまった状態です。
初期症状として、めまい、眠気、手足のしびれ、呼吸困難があります。
このような症状がでるようであれば、医師に相談しましょう。

ダイアモックスの注意点

ダイアモックスを使用してはいけない方

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1. 次の患者には投与しないこと
(1)本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)肝硬変等の進行した肝疾患又は高度の肝機能障害のある患者[血中アンモニア濃度を上昇させ、肝性昏睡を誘発するおそれがある。]
(3)無尿、急性腎不全の患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
(4)高クロール血症性アシドーシス、体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者、副腎機能不全・アジソン病の患者[電解質異常が増悪されるおそれがある。]
2. 次の患者には長期投与しないこと
慢性閉塞隅角緑内障の患者[緑内障の悪化が不顕性化されるおそれがある。]
引用:ダイアモックス 添付文書

上記の方は、ダイアモックスを使うことができません。

まとめ

ダイアモックスは、炭酸脱水酵素の機能を抑制することで、緑内障・てんかん・肺気腫における呼吸性アシドーシスの改善・心性浮腫・肝性浮腫・月経前緊張症・メニエル病及びメニエル症候群・睡眠時無呼吸症候群といったさまざまな効果を発揮する薬です。

それぞれ使用する量と回数が異なりますので、医師の指示通り服用するようにしましょう。

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