【リオベル配合錠LD/HD(アログリプチン/ピオグリタゾン配合錠)】って?効果効能・副作用を紹介!

はじめに

リオベル配合錠は、2型糖尿病の治療薬です。
有効成分は、アログリプチン安息香酸塩とピオグリタゾン塩酸塩配合錠の2つが配合されています。

DPP-4阻害薬であるアログリプチン安息香酸塩と、インスリン抵抗性改善薬であるピオグリタゾン塩酸塩配合錠の2つを用いることで、それぞれ単体よりも強力に血糖降下作用を見込めます。

今回は、リオベル配合錠の効果効能、副作用や注意点について紹介します。

目次

リオベル配合錠LD/HDってどんな薬?
リオベル配合錠LD/HDって何の病気に使えるの?
リオベル配合錠LD/HDってどうやって効くの?
リオベル配合錠LD/HDの一般的な使う量と回数
リオベル配合錠LD/HDの副作用
リオベル配合錠LD/HDで気を付けることは?
リオベル配合錠LD/HDのジェネリック(GE)ってあるの?
リオベル配合錠LD/HDの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する情報

リオベル配合錠LD/HDってどんな薬?

リオベル配合錠は、アログリプチンとピオグリタゾンの2つの成分を配合した、2型糖尿病の治療薬です。
日本では、2011年9月に販売開始されました。

LDとHDがありますが、それぞれの成分の配合量が異なります。
LD(Low Dose:少量の)は、アログリプチンが25mg・ピオグリタゾンが15mgで、HD(High Dose:多量の)は、アログリプチンが25mg・ピオグリタゾンが30mgとなっています。

ちなみに、アログリプチンはネシーナとして、ピオグリタゾンはアクトスの販売名で、それぞれ単体で販売されています。

効能又は効果
2型糖尿病
ただし、アログリプチン安息香酸塩及びピオグリタゾン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。

効能又は効果に関連する使用上の注意
1.本剤を2型糖尿病治療の第一選択薬としないこと。
2.原則として、以下の場合に、本剤の使用を検討すること。
(1)既にアログリプチン安息香酸塩(アログリプチンとして1日25mg)及びピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾンとして1日15mg又は30mg)を併用し状態が安定している場合
(2)*アログリプチン安息香酸塩(アログリプチンとして1日25mg)単剤の治療により効果不十分な場合
(3)ピオグリタゾン塩酸塩(ピオグリタゾンとして1日15mg又は30mg)単剤の治療により効果不十分な場合
3.本剤投与中において、本剤の投与がアログリプチン安息香酸塩及びピオグリタゾン塩酸塩の各単剤の併用よりも適切であるか慎重に判断すること。
引用:リオベル配合錠LD/リオベル配合錠HD 添付文書

リオベル配合錠は、2型糖尿病の治療に用いられますが、第一選択薬(その病気の治療の第一歩目の薬のこと)としては用いられません。
2種類の成分をいきなり使うより、それぞれ単体で使ってみてそれでも効果不十分だったらという段階を踏む必要があります。
(とはいえ、医師の判断で、最初から用いることも無きにしもあらずかも)

リオベル配合錠LD/HDって何の病気に使えるの?

2型糖尿病

糖尿病には、1型と2型がありますが、リオベル配合錠は2型糖尿病の治療に用いられます。

1型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌機能がほぼ完全に停止しているため、血糖がかなり下がりにくくなっている状態です。
インスリンの注射によって、体外からインスリンを取り込んで、血糖をコントロールする治療となります。

対して、2型糖尿病は、膵臓のインスリン分泌機能が低下していたり、体内の糖分取り込み組織(筋肉など)の感受性が低下していることで生じます。
生活習慣病と言われるのは、2型糖尿病のほうです。
暴飲暴食・運動不足・遺伝などの要因で、2型糖尿病になるとされています。

糖尿病になると何が問題なのでしょうか?
糖尿病とは、その名前の通り尿に糖分が排出されるくらい、血中の糖分濃度が高くなっている病気です。

本来、尿中には糖分は排出されません。
というのも、糖分は脳の唯一のエネルギー源であったり、体に必要不可欠な物質なので、排出せずに血液中に回収するシステムが整っているからです。
しかし、そのシステムにも限度があり、血液中の糖分が多いと、回収が間に合わず、尿とともに糖分が排出されてしまいます。

尿中に糖分が排出されるだけなの?それなら、あんまり糖尿病って問題じゃなさそうねーという感じですが、血液中の糖分が多いと、だいぶ困った事態に陥ります。

合併症と呼ばれるのですが、主な合併症はこちらです。

  • 糖尿病神経障害
  • 糖尿病網膜症
  • 糖尿病腎症

糖尿病神経障害

神経、特に手足の神経に異常が生じ、しびれや痛みなどの感覚異常が起こります。
進行すると、痛みを感じにくくなり、足の怪我に気づかないことによる、足潰瘍や足壊疽となり足を切断することになる可能性もあります。

糖尿病網膜症

高血糖により、目の網膜にある非常に細い血管が傷つき、だんだんと視力がおちていく病気です。
最悪、失明に至ります。

糖尿病腎症

腎臓にある細い血管が傷つき、老廃物を除去するという腎臓の機能が低下してしまいます。
悪化すれば、透析治療が必要となります。

このように、様々な合併症を起こす可能性があるので、血糖値を正常範囲内にコントロールするのは非常に大事なことになります。

また、治療せずに2型糖尿病を放置していると、肝臓・筋肉などの組織でインスリンがより一層効きづらくなる、【インスリン抵抗性】の状態となり、それがどんどん悪化していくとされているので、早期の治療と継続的な血糖値コントロールが必要となります。

リオベル配合錠LD/HDってどうやって効くの?

糖尿病薬の薬効についてまとめました。

リオベルには2つの有効成分が配合されているので、それぞれ効果を説明して行きたいと思います。

アログリプチン

アログリプチンは、DPP-4阻害作用を有します。
DPP-4とは、ジペプチジルペプチダーゼ−4のことを指し、腸管ホルモンであるGLP-1やGIPを不活性にする効果を持ちます。

GLP-1やGIPは、膵臓に働きかけて、インスリンの分泌を促進する効果をもつため、近年注目されています。

アログリプチンは、DPP-4阻害作用により、GLP-1やGIPの分解を抑制し、インスリンの分泌を促進させる効果があります。

ピオグリタゾン

ピオグリタゾンは、筋肉組織や脂肪組織といった、血液中の糖分を取り込み利用する組織に働きかけ、取り込みを促進し、肝臓の血液中への糖分放出作用を抑制することで、血糖値を抑制する効果があります。

リオベル配合錠LD/HDの一般的な使う量と回数

用法及び用量
通常、成人には1日1回1錠(アログリプチン/ピオグリタゾンとして25mg/15mg又は25mg/30mg)を朝食前又は朝食後に経口投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
中等度以上の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス値が50mL/min未満※)では、排泄の遅延によりアログリプチンの血中濃度が上昇するので本剤は使用せず、アログリプチン安息香酸塩及びピオグリタゾン塩酸塩の各単剤を併用すること。(【薬物動態】の項参照)
※クレアチニンクリアランスに相当する血清クレアチニンの換算値:男性では>1.4mg/dL、女性では>1.2mg/dL(年齢60歳、体重65kgの場合)
2.
ピオグリタゾン塩酸塩の投与により浮腫が比較的女性に多く報告されているので、女性に投与する場合は、浮腫の発現に留意し、これまでのピオグリタゾンの投与量を考慮のうえ、アログリプチン/ピオグリタゾンとして1日1回25mg/15mgからの投与開始を検討すること。
3.
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、高齢者に投与する場合は、これまでのピオグリタゾンの投与量を考慮のうえ、アログリプチン/ピオグリタゾンとして1日1回25mg/15mgからの投与開始を検討すること。
引用:リオベル配合錠LD/リオベル配合錠HD 添付文書

リオベル配合錠は、通常1日1回1錠を朝食前もしくは、後に服用します。
24時間後の血漿中DPP-4阻害率が、80%程度なので、1日1回服用すれば、十分その効果を維持できます。

腎臓から排泄するので、腎機能が低下している患者さんでは使用を避けます。

医師の指示と異なる場合は医師の指示を優先するようにしてください。

リオベル配合錠LD/HDの副作用

リオベル配合錠LD/HDに報告されている主な副作用として、臨床検査値の異常があります。
また、貧血症状・発疹・悪心・嘔吐・めまい・ふらつきなどの副作用が報告されています。

また、糖尿病薬なので、低血糖の副作用がでる可能性があります。
気持ち悪さ・震え・空腹感などの症状を感じたら、ブドウ糖を摂取するようにしてください。

そのほか、体調悪化や違和感を感じたら、医師に早めに相談するようにしてください。

自己判断で中止せず、気になることあれば、医師に相談しましょう。

リオベル配合錠LD/HDで気を付けることは?

継続的な服用を心がけること

服用を忘れたり、自己判断で中止することで、血糖値が高くなる可能性があります。
血糖値が高い状態が続くと、さらに糖尿病が悪化することがわかっているので、注意が必要です。

食事・運動療法も続けること

2型糖尿病は、薬を服用すればそれでOKというわけではなく、根本は食事と運動です。
暴飲暴食をさけて、運動をすることで、糖分を消費する筋肉を増やすなど、生活から改善することが大事です。

低血糖症状がでたらすぐに対応すること

糖尿病治療薬に共通する副作用として、低血糖症状があります。
脳のエネルギーとして用いられる糖分が不足することで、ふるえ・空腹感・動悸・気持ち悪さといった症状が生じる可能性があります。

こうした症状を感じたら、すぐにブドウ糖を摂取して安静にするようにしてください。
低血糖症状を感じたら、医師に相談するようにしてください。

リオベル配合錠LD/HDのジェネリック(GE)ってあるの?

リオベル配合錠LD/HDのジェネリックは、まだ販売されていません。

リオベル配合錠LD/HDの市販薬(OTC)ってあるの?

低血糖薬は、医師の管理下で使用することが望まれるので、OTCとしては販売されていません。

まとめ

リオベル配合錠LD/HDは、2型糖尿病の治療薬です。
DPP-4阻害作用をもつとインスリン抵抗性の改善作用をもつピオグリタゾンが配合されています。

使用に際しては、医師の指示をよく守って、使うようにして下さい。

関連する情報

ネシーナ
イニシンク配合錠

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