はじめに
アルファロールカプセルは、有効成分アルファカルシドールの1α-OH-D3製剤です。
体のなかのビタミンD3が不足することによって生じる、低カルシウム血症の改善に用いられます。
今回は、アルファロールの効果効能、副作用や注意点について紹介します。
目次
アルファロールってどんな薬?
アルファロールって何の病気に使えるの?
アルファロールってどうやって効くの?
アルファロールの一般的な使う量と回数
アルファロールの副作用
アルファロールで気を付けることは?
アルファロールのジェネリック(GE)ってあるの?
アルファロールの市販薬(OTC)ってあるの?
まとめ
関連する薬
アルファロールってどんな薬?
アルファロールカプセルは、アルファカルシドールを有効成分とする1α-OH-D3製剤です。
日本では、カプセル0.25μg・1μg・3μg及び内用液が1981年1月に、カプセル0.5μgが1981年9月に、散剤が1994年7月に販売開始されました。
効能又は効果
下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善
慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症
骨粗鬆症
引用:アルファロールカプセル 添付文書
アルファロールって何の病気に使えるの?
アルファロールカプセルは、ビタミンD3製剤ですが、そもそもなんで、カルシウムに影響を与えるのでしょうか?
ビタミンD3の生体内での働きを少し説明したいと思います。
ビタミンD3は、生体内でも作りだすことができるビタミンです。
コレステロールがまずプロビタミンD3となった後に、皮膚で紫外線と反応することで、プレビタミンD3となります。
※なので、適当に太陽光に当たるのは大事なのです。
プレビタミンD3は、ビタミンD3へと生体内で自然に変化します。
この後、さらに腎臓で活性化され、1,25-ジヒドロキシビタミンD3、別名カルシトリオールとなり、腸管におけるカルシウムの吸収を促進するなどの効果を発揮します。
高齢者をはじめ、腎臓の機能が低下してくると、最終工程の活性化がうまく進まなくなり、活性型ビタミンD3の供給が低下し、腸管からのカルシウム吸収量が低下するなどの症状がではじめます。
すると、血中のカルシウム濃度が低下し、それを補うために骨が溶け、骨粗鬆症となってしまいます。
アルファロールってどうやって効くの?
アルファロールは、1α-OH-D3製剤であり、服用後肝臓において速やかに活性型である1,25-ジヒドロキシビタミンD3に変化します。
その結果、腸管におけるカルシウムの吸収を促進し、低カルシウム血症や骨粗鬆症の改善をします。
アルファロールの一般的な使う量と回数
用法及び用量
本剤は、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する。慢性腎不全、骨粗鬆症の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして0.5~1.0μgを経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして1.0~4.0μgを経口投与する。
ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。(小児用量)
通常、小児に対しては骨粗鬆症の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.01~0.03μg/kgを、その他の疾患の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.05~0.1μg/kgを経口投与する。
ただし、疾患、症状により適宜増減する。
引用:アルファロール インタビューフォーム
アルファロールは、症状や年齢に応じて、投与量を調節します。
というのも、投与しすぎは高カルシウム血症の可能性があるためです。
高カルシウム血症の症状としては、多尿・便秘・筋力低下・錯乱・昏睡などがあります。
アルファロールの副作用
アルファロールの主な副作用として、そう痒感・食欲不振・吐き気・下痢・胃痛などが報告されています。
高カルシウム血症の初期症状もあるので、服用していて、体調悪化や違和感を感じたら、医師にすぐに相談するようにしてください。
アルファロールで気を付けることは?
高カルシウム血症に注意
高カルシウム血症になる可能性があります。
服用していて、高カルシウム血症の初期症状である、多尿や便秘、筋力低下など違和感を感じたら、医師にすぐに相談するようにしてください。
効果が結果となってでるまでには時間がかかります
アルファロールを服用して、ビタミンDの補給ができたからといって、すぐに高カルシウム血症が解消され、ひいては骨粗鬆症が治るというわけではありません。
なので、医師の指示どおり服用を継続するようにしてください。
また、服用を中断すれば、やはり低カルシウム血症になる可能性があり、骨粗鬆症が悪化する可能性が高いです。
併用に注意が必要な薬あり
アルファロールには、併用に注意が必要な薬があります。
服用している薬は、おくすり手帳を活用するなどしてひとまとめに管理しておき、医師や薬剤師に適宜確認してもらうことをおすすめします。
アルファロールのジェネリック(GE)ってあるの?
アルファロールには、ジェネリックが販売されています。
カルフィーナ、アルファカルシドール、トヨファロール、ワークミン、アルシオドール、アなどの販売名です。
ワンアルファも同じアルファカルシドールを有効成分とする薬ですが、ジェネリックではなく、併売品と呼ばれる種類であり、先発品扱いです。
アルファロールの市販薬(OTC)ってあるの?
アルファロールは市販薬としての販売が認められていません。
まとめ
アルファロールは、アルファカルシドール(1α-OH-D3)製剤です。
低カルシウム血症、骨粗鬆症の治療薬として用いられます。
ビタミンDは、腸においてカルシウムの吸収を促進する効果がありますが、腎臓の機能が低下することで、ビタミンDの活性化ができなくなり、カルシウム吸収が抑えられます。
その結果、低カルシウム血症・骨粗鬆症となってしまうというわけです。
アルファロールは、肝臓ですぐに活性型ビタミンDとなるので、低カルシウム状態を改善することができるようになります。
服用に際しては、医師の指示に従って服用するようにしてください。
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